「できる網設計」でL1~L3までを通観しよう ~第1回 IW2015注目プログラム紹介~
event_team Internet Week JPNICのイベント今年もInternet Weekの開催が近づいてきました!!これから数回にわたり、Internet Weekで行われる注目セッションを紹介していきます。 このコーナーではインタビュー形式で、注目プログラムを企画したプログラム委員に生の声を聞いていきます。インタビュアを担当するのは、実行委員を務める法林浩之(日本UNIXユーザ会)さん 😎 です。法林さんのインタビューは毎年楽しみにされている方もいらっしゃることでしょう!
法林さんが、記念すべき(!?)第1回の対戦相手として指名したのは、2015年11月18日(水)に行われるチュートリアル「できる網設計」のプログラムを担当した松本智さん(wakamonog)です。今回は、松本さんに「できる網って何!?」というお話を伺います。
法林:「できる網設計」って、どこかの書籍で見たような気がしないでもないタイトルですが、それはともかく、プログラム概要を見ると、ネットワーク設計に必要な知識も昔とはずいぶん変わってきていますね。
松本:はい。特に近年はクラウドが普及したので、社内インフラもクラウド化が進んでいます。自社ネットワーク網を設計するときもクラウドを無視できない時代になっています。
法林:なるほど。おそらくそういう変化を伝えるべく、このチュートリアルを企画されたんだと思いますが、具体的にはどんな内容を盛り込みましたか?
松本:先ほどお話しした、クラウド時代に対応した自社ネットワーク網を構築するにあたっての基礎および事例について解説します。特に今年は、ここ数年このイベントでは取り扱う機会のなかった専用線に関して、レイヤー1要素を多く含む基礎的な部分の解説を盛り込みました。また、網設計に必要な技術であるBGPの再入門や、自社網をクラウド接続した事例も盛り込んでいます。さらにデータセンター事業者の方をお呼びし、これからの時代にデータセンターを含めた自社ネットワーク網を設計するための、マルチクラウドアクセスに関する技術的解説やノウハウなどもご紹介したいと考えています。
法林:なかなか盛りだくさんな内容ですね。ところで、今年のIWのテーマは 「手を取り合って、垣根を越えて。」ですが、内容の検討にあたってテーマを意識された部分はありますか?
松本:これまで自社ネットワーク網は、自社の設備や拠点を中心に構成されていました。そういう意味ではクローズドな世界で行われていたことです。 しかしクラウドとの接続が当たり前となりつつある今、クローズドな技術やノウハウや運用方法といった垣根を取り払う必要が出てきました。 このセッションでは、多種多様な事業者の方が、文字通り手を取り合い、垣根を超えて行けるよう、さまざまな解説を行います。
法林:そう聞くと、この世界にもオープン化の波みたいなものが来ていることを感じさせますね。このプログラムはどんな人に聴講してもらいたいですか?
松本:主に企業内で自社ネットワーク網の設計や運用に携わっている方にお越しいただきたいと考えています。徹底した基礎に加え今時の話題も豊富に用意しています。必ず持ち帰れるものがあると確信しています。特に、個々の要素に関しては他にもさまざまなセミナーがありますが、それらをまとめて聞けるようにアレンジしたものは少ないので、そういう意味でもお得だと思います。
法林:なんか「できるプログラム設計」みたいになってきました。では最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
松本:自社ネットワーク網を設計構築するということは、安定して使えることを前提として考えます。そのため新しい技術要素よりも枯れた技術が好まれる傾向にあります。しかし、ここ数年クラウドが存在感を増し、自社ネットワーク網にも攻める要素が求められるようになってきました。
このセッションで、これからの時代に即した網設計のノウハウを持ち帰っていただければ幸いです。
法林:ありがとうございました。多くの方に聴いていただきたいですね。
T3 できる網設計プログラム概要
日時 | 2015年11月18日(水)9:30~12:00 |
参加料金 | 事前料金 5,500円、当日料金 8,000円 |
URL | https://internetweek.jp/program/t3/ |
概要 |
社内インフラのクラウド化などが進む近年、 情報システムを構成する社内ネットワーク網のあり方も変わりつつあります。 社内にあったオンプレミス環境の一部がクラウド化するなど、 社内ネットワーク網は自社設備の範囲を超えデータセンターをもその手中に収めなければならなくなりました。 本セッションでは、 社内システムとクラウドシステムの双方を接続しなければならないこれからの時代に立ち向かうための物理レイヤーからクラウド接続まで、 さまざまな要素技術を解説し、 網設計の一通りのノウハウを学びます。 |
内容 | 9:30~10:20 あなたのところに”専用線”が届くまで 講演者:小野寺 智広(アルテリア・ネットワークス株式会社 ネットワークインフラ本部 回線開通部) 10:20~11:10 網設計のためのBGP入門 11:10~11:40 自社網とクラウド接続の実装例と課題 11:40~12:00 データセンター活用によるマルチクラウド接続の実現と、グローバル最新動向「IOA」のご紹介 |
対象者 | 専用線導入前のユーザー、 既に専用線を利用しているユーザーで理解を深めたい方。 全体的に中初心者を想定。 |