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ドメイン名、けっこう大事なんですよ!!

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JPNICでは、JPドメイン名登録管理業務を2002年4月に株式会社日本レジストリサービス(JPRS)へと移管した後も、gTLDを中心にドメイン名に関する各種情報提供を行っています。その関係で、ドメイン名にまつわるいろいろな質問や悩み事(?)もお寄せいただきます。

そこで今回は、代表的なお問い合わせ内容の中から、ドメイン名をご利用されている多くの方々に関係しそうなものをいくつかご紹介します。

過去に登録していたドメイン名が、ヘンなサイトに使われて困っています!!!

自社サイトや販促サイトを作ろうということになり、登録料は安いことだし、とドメイン名を登録されることはよくあるかと思います。

そして、社名が変わったり、商品のプロモーション期間が終わったりして、「もう、今後は使わないから」と登録したドメイン名の登録を更新しなかったり、廃止したり、といったこともあるでしょう。

その際に気をつけないといけないのが、第三者による悪用です。

●類似商品やサービスを宣伝していて、あたかも誤認混同を引き起こそうとしているようなサイトへの利用

●元の登録者とはまったく関係ないものの、好ましく思えないサイトへの利用(アダルト系コンテンツを掲載したサイトなど)

などが悪用例として挙げられます。

ドメイン名の登録は、先願主義(いわゆる早い者勝ち)が基本です。登録する文字列も、自身の組織名やサービス名などに関係無く、登録者が自由に選ぶことができます。そうでないと、審査が必要になったりして、Webからその場での登録や、廉価での登録が難しくなってしまうからです。また、「ドメイン名を登録する」ということは、商品や不動産を買う場合とは違って、「登録を維持している期間中に限って、登録した文字列を独占的に利用する”権利”」が認められるものです。したがって、誰かが登録・使用していた後に廃止されたドメイン名を、全く関係の無い第三者が登録すること自体は、不正の目的による場合を除いては特に問題はありません。

ドメイン名の性質として、廃止や取消が行われると、ある一定期間(TLDや個別のドメイン名により異なります)を経れば、再び誰でもが早い者勝ちで登録できる状態となります。

ですから、自分(自社)以外の第三者にそのドメイン名を登録・利用させたくないということであれば、仮に今後利用する予定のないドメイン名であっても、登録し続けておく以外に方法はありません。その場合にはもちろん、ドメイン名登録料などの費用もかかることになります。

自社の文字商標と同じ文字列を使ったドメイン名が使われていて、困っています!!!

前の項では、「ドメイン名登録は、早い者勝ちで文字列も自由」と書きましたが、登録・利用にあたっては、他者の権利を侵害するようなことがあってはいけません。

もし、他者の権利を侵害するようなドメイン名の登録・利用が行われた場合には、権利者から何らかの「訴え」があるかもしれないことを覚悟しておきましょう。

「訴え」は、単なる話し合いの場合もあれば、損害賠償を求める訴訟やドメイン名紛争処理方針(DRP)に基づく手続きの場合もあるかもしれません。

ドメイン名の登録規則には、DRPが組み込まれていることに注意する必要があります。つまり、ドメイン名登録者は、第三者からDRPに基づく申し立てがあった場合には、紛争処理機関の行う紛争処理手続きに参加し裁定結果に従うことを、ドメイン名登録の際に同意していることになるのです。具体的には、ドメイン名の登録手続きの際に、規約などの形で登録者に示されているはずです。サービス利用の同意書や保険契約の契約書などと同様に、面倒だからとスルーしがちかもしれませんが、後から「読んでなかった……」と言っても通りません。

ドメイン名登録の際には、第三者の権利や利益を侵害するような文字列を用いないようにする必要があり、もしそのような登録を行った場合には、DRPによって登録したドメイン名を失う可能性があることに注意しましょう。

DRPについては、JPNICのWebページに説明がありますので、ご参考になさってください。

ドメイン名紛争処理方針(DRP)
https://www.nic.ad.jp/ja/drp/

ドメイン名登録情報に関するトラブルで、困っています!!!

ドメイン名を登録すると、その際に入力した登録者名や連絡先などの情報の一部は、「WHOIS(”ふーいず”と読みます)と呼ばれる、データベース上で公開されます。

このWHOISで個人情報が公開されることを警戒して、他人の名前や架空の住所など、適当な情報を入れてしまう人がたまにいます。また、個人のWebなどでも、「スパムが増えるからデタラメを入れた方が良い」といった指南をしている人も見かけます。

しかし、これはとてもリスクのある行為で、場合によっては必要な連絡が自分に届かず、最悪の場合はドメイン名を失う可能性すらあります。

そもそも、ドメイン名の登録は多くの場合Webだけで完結し、特に書類なども必要無いことが多いわけですが、逆に言えば、「そのドメイン名を登録しているのは誰か?」「そのドメイン名の本当の持ち主は誰か?」を証明するものは、登録情報として入力された情報だけということです。

ここにデタラメな情報や第三者の名前を入れたりすることは、不動産を登記したりマンションを借りたりする時に、他人の名義でそれを行うようなものです。いざという時に、「このドメイン名の登録者は自分です!」と主張しても、それを証明する手段がなくなるということです。

このように意図的にデタラメな情報を入力する場合以外にも、メールアドレスを変更した後に登録情報を変えていなかったりすると、諸手続の際に困ったことになります。ドメイン名に関する重要な手続きの多くでは、登録担当者やAdministrative Contactといった、ドメイン名の登録名義人とも言える人に宛ててメールを送り、それに反応することで登録者本人からの正当な手続きであると確認されます。ここにメールが届かないアドレスを載せていると、これもいざという時に大変困ったことになります。

登録情報を正しいものにしていないことによって、実際に困ったことになったケースとしては、以下のような問い合わせがありました。

  • 登録担当者だった社員が退職したが、登録情報を更新せずにそのまま数年放っておいた。その後、何かの手続きでパスワードが必要になったが、わからないし、メールも受け取れないので再発行もできない。もう元社員の連絡先もわからず、にっちもさっちもいかなくなった。
  • レンタルサーバを借りている業者を別業者に変えようとしたが、ドメイン名の登録を業者名義で行っていた。契約を切った後にそのことに気付いて業者と交渉したが、素直に応じてくれずに困ってしまった。
  • ドメイン名登録の際に適当な名前とメールアドレスで登録していたため、レジストラ変更をしようとした際にメールが届かなかった。レジストラに直接連絡しても、自分が登録者本人であると証明できず相手にしてもらえなかった。

個人情報保護が叫ばれる昨今、名前やメールアドレスを公開することに躊躇がある人が多いこともわかりますが、登録情報は「そのドメイン名が間違いなく自分のもの」であることを示す大事な情報です。

最近は、登録者本人に代わってWHOISにはレジストラなどの情報を載せておき、連絡が必要な際にはレジストラが受けた後に登録者に転送してくれるという、プロキシ(Proxy)サービス(代理人、匿名サービス)を提供しているレジストラなどもあります。このようなサービスを利用すれば、自分の名前やメールアドレスなどは内部的には保持されますが、WHOISで公開されることはありません。

これらも提供する業者により詳細が異なりますので、利用にあたってはそれなりに注意は必要ですが、少なくともデタラメな登録情報を入力するのは止めて、正しい情報を入力・維持するようにしましょう!

「おっと、気をつけないと…」と思われたこと、ありましたか?!ドメイン名を登録する時も、登録を削除する時も、よく検討されてからにしましょう。

ドメイン名に関するFAQもありますので、こちらもご一読いただけますと幸いです。

Q&A – ドメイン名の登録・各種手続きについて
 https://www.nic.ad.jp/ja/question/domain2.html

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