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仙台でリニューアル版「IPv6セミナー」を開催しました

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全国に先駆けて東北地方の小中学校では夏休み明けとなっていたようですが、 まだまだ残暑も厳しい仙台で、 8月25日・26日に「IPv6の最新動向講演会・構築体験セミナー」を開催しました。 東北インテリジェント通信さんとJPNICでの共催です。

2015年度からJPNICでは、IPv6に関する普及啓発を強化しようと、 高松、岡山、 名古屋、 福岡で計4回、 IPv6の最新動向を伝え、 ネットワークやサーバの設定を行うハンズオンも行う1日セミナーを開催してきました。 いずれもその土地その土地でそれなりには多くの方にご参加いただいたのですが、 内容についてはISPなど通信事業者向けの色が濃かったこともあり、今回はもう少しソフトウェアやシステム設計をする方などにも広く聞いていただきたいと、2日立ての構成に変更しました。 😀  1日目は総務省も交えて、最新動向を伝える部分を厚くし、 IPv6の基礎をお伝えする「入門IPv6」のパートも大幅にマテリアルのリニューアルを行いました。 また2日目の構築体験も、 今まで半日に詰め込んでいたものを1日かけてこなす構成としました。

特に今回、総務省の総合通信基盤局、データ通信課の赤川達也課長補佐が、 現在の「IPv6をめぐる動向と普及促進に向けた総務省の取り組み」についてお話くださったところは、 「IPv6って本当に必要?」という声も世間にまだ根強くある中で、 一番の興味を持って聞かれていたように見受けられました。

IPv6の利用状況の例として、 GoogleへのIPv6によるアクセスの割合が出されており、それによると、 グローバルでIPv6の利用は、毎年2倍のペースで増加しているとか。 このペースで行くと、2020年には半分がIPv6のアクセスになるようです。

 

しかし残念なことに、一方の日本でのアクセスを見ると、 他国ほど急激な伸びを示しておらず、2012年には世界をリードしていたのが、 今はそうでもない状況となっています。

では、国内でコンテンツがIPv6対応されていないのかというと、 そうではありません! 多くのWebサイトで対応済みであったり、 また、 ISP/アクセス網のIPv6対応を見ても、 契約者10万人以上のISPはほぼIPv6対応しており、 契約者全体の約87%がIPv6接続サービスを利用できるとのことです。

そのため、 総務省でも「IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会」を設置し、 IPv6推進に向けた明確な目標設定、 事業分野毎にアクションプランを作って、

  1. IoT社会の構築に向けたIPv6対応への転換を図る
  2. オープンでセキュアなIPv6を推進する
  3. IPv6対応によって国際競争力を強化する

など具体的に進めていこうとする意志が述べられていました。


と、このような具合に、 すべてのセッションを紹介することはできないのですが、今回は、 JPNICの中に組成されている「IPv6教育専門家チーム」のメンバーでいろいろ考えたことが実を結んで、 全体として2日間の内容がわかりやすく、実践的になったと思います。

先にお話した「入門IPv6」の教材も、三井情報の高津智明さん、 ジュニパーネットワークスの清水一貴さん、 NTTコミュニケーションズの西塚要さん、 ビックローブ株式会社の馬淵俊弥さんの手によってどんな技術者にも受け入れやすく、 大幅に改善されました。 ご興味を持った方は、ぜひ、 今後も各地で行う予定のこの「IPv6の最新動向講演会・構築体験セミナー」に1度お運びください! また、「当地でもぜひ開催して欲しい」という要望がございましたら、 tech-seminar@nic.ad.jp までお寄せください。

最後になりましたが、 今回仙台でのアレンジを全面的に引き受けてくださった東北インテリジェント通信さんのお力なしにはこのセミナーは開催できませんでした。 この場を借りてお礼申し上げます。

上左:開会の辞を述べる、東北インテリジェント通信株式会社 取締役の佐藤昌志氏
上右:司会およびIPv4アドレスの話をしたJPNICの佐藤晋
中左:「入門IPv6」について話をした三井情報の高津智明氏
中右:IPv6対応を進めるための総務省ガイドラインなどの話をした、インターネット協会の廣海緑里氏
下左:ブロードバンドタワーの許先明氏によるサーバ構築体験でのハンズオンの様子
下右:ジュニパーネットワークスの清水一貴氏による、IPv6ネットワーク構築体験

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