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9月30日迫る ~IANA監督権限移管・契約満了直前の状況~

dom_gov_team 

JPNICではIANA監督権限移管に関して動向を注視し、度々アップデートを行ってきました。

現在のIANA契約の有効期限は2016年9月30日。1ヶ月を切ったところです。移管に向けた提案書が、ICANNから米国政府(米国商務省電気通信情報局、 NTIA)対してに出されてからの、ここ半年の流れを含めてここで紹介します。

まず、ここまでの流れを、JPNICからの情報提供で振り返ってみます。

この半年を一言で表すと、「移管に向けた提案が提出され、米国政府側で提案の内容確認が完了し、さらに提案に基づいた実施準備状況も良好と確認された」ということになります。

先月8月16日の発表の時点で、契約期間満了まで1ヶ月半でした。米国政府(商務省電気通信情報局(NTIA))からの発表には「今後大きな障壁がなければ (barring any significant impediment) 」という一言が添えられているのですが、ここでその大きな障壁となりえるのが、米国議会の動向です。

現在、移管の実施に、米国議会の承認が必要というわけではないため、議会の中の移管反対派は、NTIAに契約終了を禁止する法律を成立させることで、移管を食い止めようとしています。「インターネットの自由保護法(Protecting Internet Freedom Act)」(上院法案下院法案、双方文面は同一)というものがそれで、2016年6月9日に、このJPNICブログでも紹介しています

この法案のWebページをみる限り、提出以降のプロセスが進捗しているように見えませんので、9月末までに成立するのは相当に難しいのではないかと思われます。しかし、この法案を提出したTed Cruz上院議員は、この法案の審議過程を進めるためか、自身の公式Webページに以下のような派手な特設ページを設けて、移管反対を訴えています。

https://www.cruz.senate.gov/internetcountdownclock/

このページには「移管提案が成立したら、ロシア、中国、イランのような国々がインターネット上の言論を検閲できるようになりかねず、それにはこれらが好まないサイトへのアクセスをブロックするという形で、ここ米国内も含まれる」といった形で、極端にも見える言説も含まれています。

このように議会での騒ぎが大きくなってきたことを受け、米国では一般紙を含むいろいろなメディアがIANA監督権限移管を報じていますが、反対、賛成など立場はさまざまです。それに対して、ICANNでは、事実誤認に基づく記事に対し、それを正す指摘を書簡で行うなど、移管反対の主張がいたずらに大きくならないように努力をしている、といったところが、契約満了日まで1ヶ月を切った、本日時点での現状です。

なお、現行のIANA契約は「最大4年延長できる」という定めのところ、現在は、1年目の延長期間にあります。この段階で移管を実現させずに2年目の延長を行う場合には、30日前までの事前通告(ただし、延長実施は非拘束)を行った上で、15日前までの契約終了前15日以内に本通告を行う必要がありますが、この非拘束の30日前の事前通告はすでに出されています。今は、15日前である9月15日の本通告期限までに9月30日までに、どれだけ移管反対派の声を収めることができるのか、米国議会の情勢に注目が集まるところです。

【編集部注】見え消しの部分については、2016年9月16日に修正を行いました。正確さに欠ける記述について、お詫びいたします。