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IPv6 Summit in TAKAMATSU 2016レポート

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今年も一般財団法人インターネット協会では、IPv6ディプロイメント委員会の活動として、地域におけるIPv6の普及啓発活動のための、IPv6地域サミットを各地で開催しています。

2016年9月16日(金)には高松市で、香川県では初めてとなるIPv6地域サミットが開催されました。会場となったのは、高松市街中心部となる、高松琴平電気鉄道(通称ことでん)瓦町駅の駅ビルにある会議室で、当日は50名以上の参加者があり、会場の座席もほぼ埋まっている状況でした。

今回のサミットには、JPNICとしても後援をするとともに、プログラムのパネルディスカッションにも参加してまいりました。

当日のプログラムの詳細はこちらをご覧ください。発表資料も、このページで後日公開される予定です。


午前の部は、インテック株式会社廣海緑里氏によるチュートリアル「IPv6の基礎知識」が行なわれ、IPv6プロトコルの基本的な説明や、IPv6ネットワーク、IPv4共存環境の構築、運用に関しての解説が行なわれました。

午後からは、IPv6 Summitの本プログラムということで、まず最初に、IPv6普及・高度化推進協議会/慶應義塾大学の中村修教授と、香川大学の今井慈郎教授による基調講演がそれぞれ行なわれました。

中村先生からは「IPv6を取り巻く現状」として、現在の国内外におけるIPv6の対応状況、普及状況についての解説や、アプリケーションレベルの対応や2017年に予定されている携帯電話網のIPv6対応などのお話をいただきました。また今井先生には、「IPv6への大いなる期待」というタイトルで、IPv6の必要性に関して、学生の研究成果などを交えた学術研究の立場からと、また一方で地域の現状を踏まえながら、期待や要望、そして不安といった観点でお話いただきました。

休憩を挟み、第二部では、地元四国の電力系通信事業者である株式会社STNetさんから、通信事業者としてのIPv6サービスの提供やトラフィックの推移などIPv6が順調に進捗している状況と、今後の展開や課題についてのお話をいただきました。当初は、JPNIC理事でもある同社の橋川和利氏が話者として予定されていましたが、都合により急遽、井下道隆氏からお話をいただきました。

続いて、IoTにおけるIPv6という観点から、ノルディックセミコンダクターエーエスエー社の山崎光男氏による、「Bluetooth for IPv6」というタイトルで、Bluetooth low energy技術のIoTへの活用と、IPv6との連携に関するお話、またBluetooth自身に関する課題など、Bluetooth技術標準化の現場状況など貴重なお話を聞くことが出来ました。

最語にパネルディスカッションで、現時点でのIPv4の入手やIPv4/IPv6共存環境による運用がだんだん厳しくなっていく実態に関しての議論が行なわれました。

パネラーとしては、IPv4アドレス移転取引の実態とアドレス共有による課題について、サイバーエリアリサーチ株式会社の風間勇人氏が、IPv4アドレス移転によるアドレス入手から、実際に利用するまでの実状についてSTNetの井下道隆氏から、そしてCGNなどIPv4アドレス共有環境の運用とその問題点について、日本ネットワークイネイブラー株式会社(JPNE)の中川あきら氏が、さらにIPv4アドレス分配の状況と今後の見通しという観点から、当センターの佐藤晋が登壇し、中村先生がコーディネーターとなり議論が行なわれました。

議論の結論としては、今もうすでに必要十分なIPv4アドレスの入手はほぼ困難な状況で、IPv4共有技術も、運用上のさまざまな困難や弊害が顕在化してきており、危機意識を持ってIPv6への対応に取り組む必要があることが確認されました。

しかし、移転によってアドレスが入手できたとしても、実際にそれを運用するまでに膨大な検査、確認の手間もあり、入手コストと合わせてもなかなか割に合わないという実状も浮き彫りになりました。

「IPv6サミットなんだから当たり前の結論」と言ってしまえばその通りなのですが、切迫した危機的状況であるということを、イメージだけではなく、実際の事例やデータに基づいて議論をしていくことの重要性を実感しました。

高松では、昨年JPNICでも「IPv6対応セミナー」を開催しております。こういった地域における地道な普及、啓発活動によって、IPv6が普通に利用できる状況に一歩ずつ近づいていくことを期待します。