ICANNに関する情報提供のいろいろ
dom_gov_team インターネットガバナンス ドメイン名 他組織からのお知らせJPNICでは、gTLDなどのドメイン名の管理ポリシーや、グローバルな資源管理体制といった観点から、Webやメールマガジンや、報告会などのイベントを通じて、ICANNに関するさまざまな情報提供を行っていますが、その全貌をご存じの方は少ないと思います。地味にコツコツやっているものの中に、案外役に立つものもあるかもしれませんので、どんな情報提供を行っているか、本稿でご紹介します。
1. 比較的頻繁に更新されるもの
1.1. ICANNアナウンスメント
JPNICでは、ICANNから発表されたアナウンスメントは、すべて日本語(タイトルのみ)で紹介しています。パブリックコメント(意見募集)に関しては期限も明示しています。1週間に数本にのぼることもあります。
1.2. ICANNトピックス
ICANNが発表したアナウンスのうち重要なものや、ICANN理事会の決議内容などを翻訳して提供しています。現在の主な発信は以下の二つです。
1.2.1. gTLDルートゾーン追加情報
2012年に募集されたgTLD(いわゆる新gTLD)の審査・契約プロセスが終了し、DNSに登録(委任)されたものを随時お知らせしています。すでに600近くの申請が取り下げられ、1,200以上のgTLDがこれまでに登録され、残るものの多くは問題解決が必要なものとなっています。
1.2.2. ICANN理事会決議概要
ICANN理事会が開催されれば、理事会決議の内容や議事録がICANNから公開されますが、JPNICはその中で理事会決議内容の概要を日本語化してお届けしています。頻度がどれくらいかといいますと、2016年には15回理事会が開催されています。アナウンスメントやトピックスを追うのも情報収集の一手ですが、理事会決議内容を追うと、組織運営の観点からICANNを眺めることができますので、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?
2. ICANN会議ごとに更新されるもの
年3回ICANN会議が世界の各地で開催されます。JPNICからは何名かがICANN会議に参加しており、その内容を日本のコミュニティからの参加者およびICANNアジア太平洋ハブの方々と共にICANN報告会にてご報告しています。またこうしたものをまとめて、メールマガジンやニュースレターでも報告をしています。
2.1. ICANN会議
ICANN会議に関して、ICANNのWebサイトに掲載される会議情報、理事会決議内容(原文)、JPNICによる理事会決議概要、メールマガジン記事、ICANN報告会資料ページなどへのリンクをまとめています。
2.2. ICANN報告会
ICANN報告会とは、ICANN会議終了後に日本の方に向けて、ICANN会議での主なトピックを共有したり、あるテーマについて議論をしたりする会合で、大体ICANN会議終了後1ヶ月くらいでに開催しています。
資料ページへのリンク一覧をご覧ください。各報告会資料ページには、配布した資料スライドおよび発表を収録した動画または音声を掲載しています。報告会の内容をまとめたメールマガジンも発行しています。ICANNの動向を精緻に追うには、こちらの資料も読んでみてください。
3. ICANNに関する基本情報
上記の1と2以外での情報発信としては、更新する必要がでた場合に更新する「基本情報」です。一番大きなところでは組織紹介として、ICANNの役割、ICANNを構成する理事会および理事会内に設置されている委員会、支持組織、諮問委員会について、および各理事会メンバーについて紹介しています。理事の顔ぶれや構成が変わった時には、それに合わせてアップデートしています。
他に歴史、定款などの主要文書、新gTLD、統一ドメイン名紛争処理方針(UDRP)などについてもカバーしています。
3.1. ICANN関連用語集
ICANNに関連する、さまざまな用語について解説しています。わからない用語が出てきた場合には、こちらをご確認ください。
4. ICANN文書翻訳協力覚書について
上記の1~3とはまた別に、JPNICはICANN文書の和訳に関して、重複回避と訳語共通化などを目的として、ICANNおよび株式会社日本レジストリサービス(JPRS)とICANN文書の日本語への翻訳に関する協力の覚書を2015年に締結しており、それに付随する翻訳も提供しています。
成果物の例として、ユニバーサル・ アクセプタンス(UA) クイックガイド日本語訳の公開があります。
ICANNに関するJPNICからの情報提供についてお伝えしましたが、ぜひこれらを有効活用いただければと思います。お気づきの点があれば、ingov-query@nic.ad.jpまでお寄せください。