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APRICOT 2019 フェローの参加報告会を開催しました

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JPNICは、国際人材育成専門家チームのみなさまご協力のもと、APRICOT 2019 参加支援プログラムを提供していました。その締めくくりとなる参加報告会を、JPNIC会議室で先日開催しました。

APRICOT 2019 参加支援プログラムとは?

一言で言いますと、国際会議に参加してみたい若手のみなさまを応援するプログラムです。会議参加に必要な旅費を補助したり、参加前後や会期中に専門家チームのメンバーやJPNICの職員が、アドバイスや知っていると役立つ情報などを提供したりします。

今回は、2月下旬に韓国の大田で開催されたAPRICOT 2019を支援対象の会議としました。「APRICOT」と聞くと、4年前に福岡で開催したAPRICOT-APAN 2015を思い出す方もいるかもしれません。このAPRICOTが、今年は韓国で開催されました。実は専門家チームのメンバーには、このAPRICOT-APAN 2015の関係者が多くいます。今後の日本のインターネットの継続的な発展を考えたときに、この福岡一回きりではなくて今後も日本からAPRICOTに参加する方、特に若い方が増えてほしいとの思いから、国内の方向けに国際会議参加支援プログラムを実施することになりました。

参加報告会レポート

今回、APRICOT 2019参加支援プログラムで選出されたのは、大学院生のお二人でした。参加報告会では、お二人に特に印象に残ったセッション、会期中に思ったこと、今回の経験を今後どのように生かしていきたいかなどを発表していただき、専門家チームやJPNICの職員がいつも国際会議に参加している観点から、コメントや今後のアドバイスなどを行いました。お二人の参加報告書は、JPNICのWebにてご覧いただけます。

参加報告会のひとこま。

鈴木恒平さん (慶應義塾大学)

大学院ではルーティングセキュリティに関する研究をしているという鈴木さん。学内ネットワークやイベントネットワークの運用にも積極的に関わっているそうです。APRICOT 2019で印象に残ったのは「Opening Ceremony & Plenary」でのISOC CEOのAndrew Sullivan氏の基調講演と「RPKI Key Signing BoF」。Andrew Sullivan氏の講演からは、多くのステークホルダが関わるようになったインターネットに対して、今後技術者としてどう関わっていくべきかの心構えを学んだそうです。またBoFでは、気軽な雰囲気の中でたくさんの方と話し、打ち解け、翌日以降も会場で見かけたら挨拶するような間柄になって感激したとのこと。

現地でとても役に立ったアイテムは、そのBoFでROA発行済み組織の人だけに配布されたTシャツ。(鈴木さんの参加報告書のスライドで、みなさんがお揃いで着ているクジラのTシャツです 🙂 )現地では「それ何?」と話しかけられることがあり、他の参加者との会話のきっかけになったそうです。

現地で得た知識は、さっそく帰ってきたあとにじっくり調べて、学習の刺激にしているという鈴木さん。今後はそれを同僚に教えたり、自身のブログに書いたりして情報発信する側にもなりたい、そして次回は発表者としてAPRICOTに参加したい!とのことでした。

三島航さん(北陸先端科学技術大学院大学)

大学院ではセグメントルーティングについて研究しているという三島さん。セッションでは「APOPS 2」が心に残っているそうです。まず言えるのが豪華な登壇者。APNICのGeoff Huston氏、Nokia Deepfield社のCraig Labovitz氏、IIJのRandy Bush氏の三人は、講演内容もさることながら話もうまくて理解が進み、さすが世界で活躍する方々だなと思ったそうです。

ご自身は大学院で技術を研究している立場ですが、実際にインターネットを運用している方々のマインドに触れることができたのも、全体を通しての収穫だったと語りました。BGPコミュニティ属性の使われ方、人と人との関係性の中でルール決めがされていること、参加者同士でフレンドリーに意見交換する姿や皆でアイディアを出し合って工夫しながら運用を楽にしていこうとする様子が印象に残ったそうです。

会期中は読み書きやリスニングは特に不自由はしなかったそうですが、他の参加者との会話の中でとっさの一言を英語で言えたら、もっと得るものが多かったはず。ということで、今後は英語でのリアルタイムのコミュニケーション能力をもっと鍛えていきたいとのことでした。

 

※番外※ ROA発行者限定Tシャツが気になる方は・・・

ちなみに鈴木さんがAPRICOT 2019で友達作りに役立ったというROA Tシャツ、気になった方も多いのではないでしょうか(?)。

JPNICからIPアドレスの割り振りを受けているみなさまは、↓のWebページにある手順でROAが発行できます。次のAPRICOTあるいはAPNICカンファレンスで同じような企画があった場合に備えて(!?)、ROAの発行方法を確認してみてはいかがでしょうか 😎

ROA作成と管理の方法

https://www.nic.ad.jp/ja/rpki/howto-create-roa.html

画像:ケーロちゃん ←こちらはJPNICのRPKIプロジェクトのマスコット、ケーロちゃん  😉

最後に

この報告会をもちまして、2018年度の国際会議支援プログラムの活動はすべて終了しました。今回も意欲的で意識の高い学生さんを支援することができて、とてもうれしく思います。この活動が、世界で活躍する技術者が集うAPRICOT、そしてIPv6、ルーティング、IPアドレスポリシーなどAPRICOTが扱う分野への興味・関心の裾野を広げる一助になれば幸いです。また運営にご協力いただきました専門家チームのみなさま、ご協賛のみなさま、応募者募集の広報活動にご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました!この場を借りまして、御礼申し上げます。

国際人材育成専門家チーム

■メンバー

遠藤 淳 (株式会社日本レジストリサービス)
北村 泰一 (APAN-JP)
谷崎 文義 (西日本電信電話株式会社)
細谷 僚一 (インターネットマルチフィード株式会社)

 ■担当理事

石田慶樹 (JPNIC常務理事)

国際会議参加支援プログラム 協賛

インターネットマルチフィード株式会社

株式会社日本レジストリサービス

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