各地のNOGや勉強会で会いましょう
ip_team 他組織のイベント日本では、ネットワークオペレーターの方が集まり、議論や意見交換をする場として、JANOG (JApan Network Operators’ Group)の他、地域NOGがいくつか活動されています。また、事業者の垣根を越え、インターネットの技術に関する勉強会も、さまざまな地域で開催されています。
JPNICでは、このような場は、日頃なかなかお会いすることができない運用者の方々と交流できる貴重な機会と考えており、講演を行ったり、意見交換をしたりすることによって、インターネットの発展に寄与することができることから、積極的に参加ししています。
今回は、最近開催された地域NOGの様子を簡単に報告させていただくとともに、7月24日~26日に兵庫県神戸市で開催されるJANOG44でのJPNICの活動についてお知らせします。
ENOG (Echigo Network Operators’ Group)
ENOG (越後ネットワーク・オペレーターズ・グループ; 通称”いーのぐ”)は、新潟県の事業者を中心としたコミュニティで、メーリングリストを運用されている他、2ヶ月に1回のペースで会合を開いています。6月28日に57回目の会合(ENOG57)が、新潟県新発田市にある月岡温泉という温泉地で開催されました。
本会議では、月岡温泉を舞台に行われたAIの実証実験の話等、さまざまな面白い話を聞くことができました。JPNICからは、「JPNIC update」として、Internet Week 2019やWHOIS地域冗長化、IPアドレスに関するお知らせするとともに、WHOISの登録内容正確性向上に関する取り組みと、以前本ブログにも投稿したBGPハイジャックはポリシー違反になるか?(ARIN PPMLの議論より)について発表しました。
WHOISの登録内容正確性向上に関する取り組みでは、先月開催されたJPNICオープンポリシーミーティング(JPOPM36)で提案されたポリシーがコンセンサスとなりました。また、Abuseの問合せ先が正しく登録されているか(きちんと連絡がつく問い合わせ先か)を検査する方法について、検討を実施するワーキンググループメンバーの募集が開始となっています。本提案においては、利用者すべてにとってより良い実装方法を確立したいという考えから、各地域の事業者の方からもメンバーに加わっていただければと思います。ご興味ある方は、JPOPF運営チームのWebページに掲載されているワーキンググループの設立趣意書をご覧いただき、参加いただければと思います。
BGPハイジャックの提案に関しては、ARIN(北米)での話でしたが、今後APNICでも提案を行うと提案者は述べています。APNICで議論が始まる前に、日本のみなさんにも本提案に関心を持っていただき、議論に参加される方が1人でも増えたら良いなと思います。
その後、夜からは「俺の話を聞け in 月岡温泉」として、技術動向や経験談などについて参加者みなさんで語らう熱い夜となり、大変盛り上がりました。
QUNOG (Q-Shu(Kyushu) and Uchina(Okinawa) Network Operators’ Group)
QUNOG (九州沖縄地域ネットワークオペレーターズグループ; 通称”きゅーのぐ”)は、インターネットにおける技術的事項、運用に関する事項を議論、検討、紹介することを通して九州・沖縄地域の技術者および利用者に貢献することを目的としたグループです。メーリングリストの運用をされている他、年に3回程度の会合を開催されています。7月5日に14回目の会合(QUNOG14)が、熊本県熊本市の市民会館 シアーズホーム 夢ホールで開催されました。開催日前は、九州地方は大雨となっていましたが、当日は約60名の参加がありました。
QUNOG14では、セキュリティの業務やCSIRTの立ち上げに関しての発表や、学生の方が構築に携わったイベントの会場ネットワークについてのライトニングトークなどが行われました。CSIRTの立ち上げに関しての発表では、QUNOGでの出会いがきっかけになったと共有があり、このような直接コミュニケションが取れる場の価値を、再認識しました。JPNICからの発表はありませんでしたが、参加のみなさまと意見交換したり、ご相談したりと、充実した時間を過ごすことができました。
TDNOG (Tohoku HokkaiDo Network Operators Group)
TDNOG (東北・北海道ネットワークオペレーターズグループ; 通称”とどのぐ”)は、東北6県と北海道のネットワークエンジニアおよび学生が、知見と親交を深めることを目的に設立されました。2019年5月に設立されたばかりのNOGで、7月12日に記念すべき第1回目のミーティング(TDNOG1)が開催されました。
JPNICからは「インターネットを維持するための試みと脅威の現状」と題した講演を行いました。インターネットの維持のために、IPアドレスやAS番号といった番号資源を、分配を受けた組織が適切に利用することの重要性は、これまで絶え間なく議論されてきています。今回は、平成20年ごろから活用をはじめたIRR、さらに最近になって利用が加速するRPKIなどといった、インターネットを維持するための取り組みと、それらの利用にまつわるトラブル、申請者を騙ってIPv4アドレス移転によりIPv4アドレスを騙し取ろうとする事例をご紹介しました。
古くはニュースグループでも、分配を受けた番号資源の利用について議論がされていたようです。インターネットに携わる人や技術の歴史は繰り返しながら進化してきていることや、さまざまな技術を駆使して複雑化するインターネットを維持しようとする試みがあることを、ご紹介できたのではないかと考えています。
次は神戸で開催されるJANOG44で会いましょう
7月24日〜26日は、兵庫県神戸市で、JANOG44ミーティングが開催されます。
JPNICは、スポンサーとしてブースを出展します。Internet Week 2019をはじめ、JPNICからの最新のお知らせをさせていただく他、できたてホヤホヤのJPNICニュースレター最新72号を配布いたします。また、IPアドレスの申請担当者も参加しますので、特別相談会も実施します。ささやかですが、ノベルティもご用意していますので、ぜひお立ち寄りください。
また、JPNIC職員がプログラムやライトニングトークに登壇します。こちらもご注目ください。発表に関しての、コメントやご意見もお寄せいただければと思います。
勉強会などあれば、JPNICにお声がけください
冒頭でも書いた通り、JPNICは運用者の方々との交流の場を重要視しています。
勉強会やインターネットに関連するイベントを企画される際に、JPNICの者に参加してほしい・講演してほしいというご要望があれば、ぜひともお声がけいただければと思います。できる限り、お応えしていきたいと思っています。
よろしくお願いします!