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国際移転の準備をするには?

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3月25日、APNIC (Asia Pacific Network Information Centre)WIDEプロジェクトは「Asia Pacific Internet Development Trust (APIDT; アジア太平洋インターネット開発信託)」の設立を発表しました。

発表内容によると、APNICおよびWIDEプロジェクトとは独立した組織として、APIDTが設立されました。

設立に際してAPIDTが移転を受けた、43.0.0.0-43.223.255.255の範囲のIPv4アドレスを他の組織へ移転して、得られた売却益で基金を創設します。

エンジニアやセキュリティ専門家の育成、さまざまなネットワークの集合点となるインターネットエクスチェンジポイント(IXP; Internet eXchange Point)の技術支援、ネットワーク運用者のコミュニティ(NOG; Network Operetors Group)やコンピュータセキュリティインシデントに関する対応活動を行う組織(CSIRT; Computer Security Incident Response Team)の育成といった、アジア太平洋地域におけるインターネット発展のためのさまざまな活動に、この基金を活用して支援を行っていくとのことです。

この組織の活動に興味を持たれた方は、上記の発表文やAPIDTホームページを訪問して、理解を深めていただければと思います。また、43.0.0.0-43.223.255.255の範囲からの移転に関する詳細は、決定次第APIDTから発表が行われるとのことです。


今回の記事では、上記のIPv4アドレスの範囲に限らず、これまでJPNIC以外で利用されていたIPv4アドレスの移転を受けたいと思った皆さんが、どのような対応が必要かを簡単にご紹介したいと思います。

読者の方が既にJPNICのIPアドレス管理指定事業者(以下、IP指定事業者と呼びます)であることを想定した内容となっていますので、ご自身の所属されている組織がJPNICのIP指定事業者ではない場合には、今回ご紹介する手順とあわせて、IP指定事業者となるための契約のお申し込みが必要になりますのでご注意ください。

1. JPNICにおけるIPv4アドレスの移転とは

所定の手続きをお取りいただき、IPv4アドレスの分配先を変更することを、「IPv4アドレスの移転」と呼んでいます。

JPNICでは2020年4月17日現在、以下の地域インターネットレジストリ(RIR; Regional Internet Registry)または国別インターネットレジストリ(NIR; National Internet Registry)で管理されている/24 (256アドレス)以上のIPv4アドレスであれば、JPNICのIP指定事業者の割り振りアドレスとして移転を受けることが可能です。

JPNICでは、上記のインターネットレジストリを「移転対象レジストリ」、移転対象レジストリと契約する組織との間で双方向におこなうIPv4アドレスの移転を「国際移転」または「レジストリ間移転」と呼んでいます

2. 「移転可能IPv4アドレスサイズの通知」を受ける

自身が移転先組織(IPv4アドレスの移転を受ける組織)となって、移転対象レジストリと契約する組織からIPv4アドレスの移転を受ける場合、JPNICから「移転可能IPv4アドレスサイズの通知」を受けることが必要になります。JPNICでは、移転可能IPv4アドレスサイズの範囲内で移転を承認します。移転可能IPv4アドレスサイズは以下のイメージを参考にしてください。 「1. JPNICにおけるIPv4アドレスの移転とは」でご紹介した全ての移転対象レジストリでは、移転先組織に対して、最長で2年先までに必要となるIPv4アドレス数をまとめた利用計画の提出を必須としています。これは、利用しないIPv4アドレスまでもが移転されることを防ぐために設けられた考え方です。

世界中の全てのインターネットレジストリが同様の対応を取っているわけではありません。JPNICでは、「利用計画の提出を必須としている」「転入と転出の双方向のIPv4アドレスを移転を実施している」という二つの条件を満たすインターネットレジストリのみを移転対象レジストリとして選定しています。

移転可能IPv4アドレスサイズの通知の考え方や手続き方法は、「IPv4アドレス移転希望者リスト情報掲載方法」のページを確認してみてください。

IPv4アドレス移転希望者リスト」とは、IPv4アドレスの移転を受けることを希望する組織の一覧を公開するものです。移転可能IPv4アドレスサイズの通知を受けていただくと、「IPv4アドレス移転希望者リスト」にも掲載されるという、一粒で二度おいしい(かもしれない)手続きとなっています。皆様からのリスト掲載希望をお待ちしています。

3. IPv4アドレスの移転を受けるための交渉や調整

「移転可能IPv4アドレスサイズの通知」を受けたあとに、通知の内容を参考にして、移転元組織(現在、対象となるIPv4アドレスの分配を受けている組織)との交渉や調整を行いましょう。

交渉や調整が終わりましたら、移転元組織の正式名称や担当者のお名前を忘れずに確認してください。これらの情報は、JPNICに提出いただく申請書類に記入する必要があります。

あわせて、移転元組織の担当者には「移転対象レジストリ(移転元組織と契約を結ぶレジストリ)に連絡する」ようお伝えください。JPNICでは、以下の2点が揃ってはじめて、IPv4アドレスの移転手続きがスタートします。

    • 移転対象レジストリからJPNICへの連絡を受ける
    • 移転申請に関する書類を、移転先組織からJPNICへ提出する

4. 移転申請書の作成とJPNICへの提出

手続き文書「IPv4アドレス移転申請手続き(移転対象レジストリ契約組織からJPNIC契約組織への移転用)」にある移転申請書を作成して必要書類とあわせて、JPNICまで提出してください。

提出が必要となるのは、以下の2点の書類です

書類を作成・用意する際には、以下の点にも気をつけていただきますと、内容の確認や訂正にかかる手間が省けて処理が早くなります 😎 

移転対象レジストリからの連絡が既に到着している場合、到着後すぐに申請が進みます。

5. 移転申請手数料のお支払い

申請内容の確認が終わると、移転申請手数料の請求書をお送りしますので、お支払いをお願いします。手数料は88,000円(うち消費税8,000円)です。

6. 移転申請の完了と移転履歴への掲載

移転申請手数料のお支払いを確認してから、移転予定日をJPNICからお知らせします。移転予定日はお知らせの日から5~10営業日後としています。この期間中に、移転対象レジストリとJPNICとの間では、データベース登録情報のやり取りや必要に応じて逆引き方式の変更など、移転完了に向けた調整を行っています。

移転予定日当日には、移転を受けるIPv4アドレスを移転先組織への割り振りアドレスとしてJPNICのデータベースに登録します。登録内容はJPNIC WHOISから確認が可能となります。また、「IPv4アドレス移転履歴」にも掲載されます。


JPNICで担当する4~6の手続きの期間は、およそ2~3週間程度となっています。最後に、国際移転を進める上を大切な点をもう一度復習しましょう。大事なことなのでもう一度お伝えします。

  • 移転申請書の記入漏れや、捺印いただく印鑑に間違いないかを確認してください(「4. 移転申請書の作成とJPNICへの提出」をもういちど確認!)
  • 移転予定日のお知らせに必要となる、移転申請手数料の支払いはお早めに

移転や手続き全般に関してわからない点があれば、IPアドレス担当までご相談ください!

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