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ARIN 46でのIPアドレス・AS番号分配ポリシーに関する提案ご紹介

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2020年10月14日(水)・15日(木)・23日(金)の3日間で、ARIN 46ミーティングが開催されます。ARIN (American Registry for Internet Numbers)は、北米とカリブ海周辺の一部地域を受け持つ地域インターネットレジストリ(RIR; Regional Internet Registry)の一つです。

前回のARIN 45ミーティングに引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、全期間オンラインでの開催となっています。14日・15日は主にポリシーディスカッション、23日はメンバーミーティングが予定されています。

ARIN Blogより

APNIC (Asia Pacific Network Information Centre)地域と同様にARIN地域においても、IPアドレス・AS番号の分配ポリシーに関する議論は、メーリングリストのほか、オフラインミーティングの場でも行われます。

ARINにおけるポリシー策定プロセスの詳細については、ARIN 37に関するJPNIC Blog記事でご紹介しています。そちらもあわせてご覧ください。

今回のARIN 46ミーティングでは、7件の提案について議論が予定されています。

  1. ARIN-2020-1: Clarify Holding Period for Resources Received via 4.1.8 Waitlist (IPv4アドレス割り振り待機者リストへの掲載基準の明確化)
  2. ARIN-2020-2: Reinstatement of Organizations Removed from Waitlist by Implementation of ARIN-2019-16 (IPv4アドレス割り振り待機者リストへの掲載基準から除外する)
  3. ARIN-2020-3: IPv6 Nano-Allocations (小規模LIRのIPv6割り振りについて)
  4. ARIN-2020-5: Clarify and Update Requirements for Allocations to Downstream Customers (再割り振り要件のアップデート)
  5. ARIN-2020-6: Allowance for IPv4 Allocation “Swap” Transactions via 8.3 Specified Transfers and 8.4 Inter-RIR Transfers (移転における「ブロック交換」の明文化)
  6. ARIN-2020-7: 4.4 gTLD Micro-allocation Clarification (gTLDに対する割り振りの明確化)
  7. ARIN-2020-8: Clarify and Update 4.2.1.2 Annual Renewal Fee (維持料の扱いについて)

各提案について以下で簡単にご紹介したいと思います。

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ARIN-2020-1: Clarify Holding Period for Resources Received via 4.1.8 Waitlist (IPv4アドレス割り振り待機者リストへの掲載基準の明確化)

前回のARIN45ミーティングから継続議論となっている提案です。現在のポリシーでは待機リストから割り振りを受けたIPv4アドレスは60か月間、他の組織に移転することができません。本提案では事業譲渡や吸収合併に伴う移管の場合には60ヵ月制限の対象外とすることを明記します。

 

ARIN-2020-2: Reinstatement of Organizations Removed from Waitlist by Implementation of ARIN-2019-16 (IPv4アドレス割り振り待機者リストへの掲載基準から除外する)

こちらもARIN45ミーティングから継続議論となっている提案です。2019年7月に割り振り/割り当て総数に関する制限が適用された際に、基準を満たさない組織は待機リストから削除されることとなりました。本提案では制限の適用で削除されてしまった組織を対象に、IPv4アドレスの総数が/18 (16,384アドレス)以下となった場合に削除前の順番に復活することができるようにします。この組織は/22までのアドレスをうけることができ、掲載期間は2年+2019年7月からポリシー実装までの月数分拡張されます。移転等で必要なアドレスを受けている場合にはこれらの対象にはまりません。

 

ARIN-2020-3:  IPv6 Nano-Allocations (小規模LIRのIPv6割り振りについて)

ARINの番号資源登録サービス料は保有する番号資源の総量で確定します。最小単位のIPv4アドレス(/24以下)を持つLIRが、リクエストすることで受取可能な最小のIPv6アドレス(/36)を受け取った場合、料金は250米ドルから500米ドルと倍額になります。この料金はIPv6アドレスの導入において大きな障壁となっていると報告されています。本提案は/24以下のアドレスを持つLIRに対して、リクエスト可能なIPv6アドレスの割り振り単位として/40を追加し、/40を受けた場合、将来IPv4アドレスの総数が/24を超えたときに、IPv6アドレスの数を/36へ自動的に増やすというものです。初期割り振りのサイズを小さくすることで小規模ISPのIPv6導入の支援につながると考えられます。

 

ARIN-2020-5: Clarify and Update Requirements for Allocations to Downstream Customers (再割り振り要件のアップデート)

再割振り要件が定義されているNumber Resource Policy Manual (NRPM) 4.2.3.6.項ではRFC2050が参照されていますが、RFC2050は既に廃止されており、4.3.3項で定義されている24ヵ月以内に50%を使用する計画があるという条件とも合致していません。本提案ではRFC2050を参照する文言を削除し、4.3.3.項を参照することを追記します。

 

ARIN-2020-6: Allowance for IPv4 Allocation “Swap” Transactions via 8.3 Specified Transfers and 8.4 Inter-RIR Transfers (移転における「ブロック交換」の明文化)

ARINでは移転・割り振りを受けた後12か月間は移転でIPv4アドレスを放出することができないことになっていますが、アドレス移転のために大きなアドレスブロックの一部を切りだすことを防ぐために、細かいアドレスブロックと「交換」することを12ヵ月以内に行うことが実務の上で認められていました。本提案ではこの「交換」が認められることを明文化しようというものです。

 

ARIN-2020-7: 4.4 gTLD Micro-allocation Clarification (gTLDに対する割り振りの明確化)

4.4項ではICANNから委任を受けたgTLDオペレーターへの割り振りについて記述されていますが、そのうちの”new gTLD”という言葉について、2012年6月以降に委任されるすべてのgTLDが対象であり、2012年1-4月に募集された新gTLDとの混同を防ぐために修正を行うという提案です。

 

ARIN-2020-8: Clarify and Update 4.2.1.2 Annual Renewal Fee (維持料の扱いについて)

料金に関する規定はRegistration Services Agreement (RSA)で規定されているため、重複する文言を削除する提案です。変更による影響はありません。

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ご興味のある提案はあったでしょうか。

 

ARIN46ミーティングは米国東部夏時間(EDT)で12:00~開催ですので日本では深夜1時頃からのスタートになります。リアルタイムでの参加は難しいですが、資料や録画・議事録の公開はあるかと思いますので注目していただければと思います。

 

ARINなど、他のRIRでの提案がその後APNICでも提案されることもあり、JPNICは各RIRの動向に注目しています。ブログなどを通して皆様にも情報共有していきますのでぜひご覧ください。