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News & Views コラム:自ら律し整え、安易な手段を求めない

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メールマガジンで配信したインターネットに関するコラムを、このブログでもご紹介しています。2022年9月は、本年11月21日(月)~30日(水)の会期で開催予定の「Internet Week 2022」のプログラム委員としてプログラム作りに参加していただいている、NTTコムウェア株式会社の外山隆司さんにお書きいただいた、業務の組み立て方や、そこで用いる手段の選択方法についての一家言です。

 


2020年明けからの新型コロナウィルス感染拡大が、リモートワークの機運を加速度的に高め、私たちのすべてが大なり小なりの適応を強制されてから数年が経ちました。

その当時、私は新卒・中途採用の仕事をしており、「人と会って話をするのが仕事の採用活動を、どないせいちゅうんじゃあ」と壁に当たった強い思い出があります。その壁に直面した私は、某通信会社系列というお堅い企業体に則して「必要最低限度外界に開かれた業務システムのみで、いかに業務を成立させるか」に腐心しました。より具体的に言えば、現存する情報システムにおける「社外のゲスト向け機能だけ」で業務を成立させた、ということでして、幸い例年並みあるいは例年に色を付けた採用実績を上げ、なんとか責務を果たせたことは非常に良い経験でした。

お堅い企業体の中の人たちの大半は、百花繚乱のSaaSに飛びついて業務継続を成立させていたような覚えがありますが、私個人の意見としては、自分自身そのムーブメントに乗らなかったことが却って業務設計能力を高め、自身の思考や行動をより柔軟にしていった実感があります。

相変わらず、特にITや通信に関わる働き手の方々は、リモートワーク中心で日々仕事に向き合っています。その業務スタイルは、どのように組み立ててあるでしょうか。オフィスが業務の場として使いづらくなった時代に、たまたまその時に使いやすかったとあるSaaSを、急場しのぎではなく、いつの間にやら恒久的な業務手段として組み込んでありませんか。「今時、会社の(遅れた)ルールで利用が禁じられているさまざまなSaaSを使えないこと自体がダサい」というフレーズすら耳にしますが、それは真実でしょうか。

誰もが使っているイケてるSaaS「でなければ」私たちの業務は成立しない、そんなことはないと考えます。著名なクラウドサービスですら、ふとした出来事でサービス停止に陥っている事実もあります。どのような手段で自分の業務を組み立ててあるのか。業務上の利便性のみならず、機密性やコストの面でバランスが取れているのか。そのようなことは、所属している組織や企業に保障してもらうものでなく、自分を食わせていかねばならぬ、他でもない自分自身の頭と手で組み立てねばならないなと、しばしば思うのです。

 


■筆者略歴

外山 隆司 (とやま りゅうじ)

NTTコムウェア株式会社 ドコモシステム事業本部所属。大企業イントラネット・インターネットアクセス周辺の業務全般の他、人事育成・採用も経験。社外ではCONBU (COnference Network BUilders)コアメンバーを務める他、2009年~2014年の間Interop Tokyo ShowNetの構築運用にも参画。yaml書いたりconfigしたりしたいけど、作るのはパワポばっか。

 

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