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ネットワーク情報、SUBA登録およびAS情報へのAbuse登録開始

ip_team 

JPNICでは、第36回JPNICオープンポリシーミーティング(JPOPM36)で議論された「JPNICにおけるWHOIS正確性向上の検証」について、実装勧告を受け、その取り組みを進めています。

036-01: JPNICにおけるWHOIS正確性向上の検証
https://www.jpopf.net/p036-01

この取り組みの一環として、ネットワークの不正利用に対応する窓口(Abuse)の登録について、2022年8月22日から登録可能となったものが増えました。

IPアドレス管理業務に関するJPNIC文書施行のお知らせ
~移転手続きにおける申請書の統一およびネットワークの不正利用に対応する窓口(Abuse)の登録開始~
https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2022/20220822-02.html

このブログ記事では、上記の取り組みについて、あらためてお伝えさせていただきます。

主な変更点

今回の取り組みについて、主な変更点を紹介します。

【変更点1】Abuseが登録可能なネットワーク情報・AS情報の一覧

下記の情報にAbuseが登録できるように変更となりました。赤字としたものが、新たにAbuseが登録できるようになったものです。

  • IPアドレス管理指定事業者(JPNICからIPアドレスの割り振りを受けている事業者)
    • IPv4アドレスに関する情報
      • 割り振り情報
      • 割り当て情報(インフラ・ユーザー)
      • SUBA登録(逆引きネームサーバを登録するための情報)
    • IPv6アドレスに関する情報
      • 割り振り情報
      • 割り当て情報(インフラ・ユーザー・再割り振り・再割り振りからの割り当て)
  • 特殊用途用プロバイダ非依存アドレス(IPv4アドレス・IPv6アドレス)の割り当て情報
  • 歴史的経緯をもつプロバイダ非依存アドレス(こちらは、IPv4アドレスしかありません)
  • AS情報(AS番号の割り当て情報)

【変更点2】Abuseの登録形式の追加

従来Abuseとして登録が可能だったのはメールアドレスのみでしたが、これに加え、担当者情報(JPNICハンドル)と担当グループ情報(グループハンドル)も登録できるようになりました。

JPNIC WHOISでの表示例(検索結果例)

新しくAbuseが登録可能になったIPv4アドレスの割り当て情報、IPv6アドレスの割り当て情報、AS情報について、Abuseの項目がどのように登録されるのか、例を挙げます。

IPv4アドレスの割り当て情報・SUBA登録の情報

IPv4アドレスの割り当て情報およびSUBA登録の情報には、”o. [Abuse]”の項目が追加になりました。技術連絡担当者とネームサーバの間に出てきます。下記の例はメールアドレスを登録していますが、担当者情報・担当グループ情報も登録できます。

Network Information: [ネットワーク情報]
a. [IPネットワークアドレス] 192.168.0.0/27
b. [ネットワーク名] maru-net
f. [組織名] ○○株式会社
g. [Organization] ○○ Corporation
m. [管理者連絡窓口] ZZxxxxJP
n. [技術連絡担当者] ZZxxxxJP
o. [Abuse]  abuse@example.com
p. [ネームサーバ] ns01.example.com
p. [ネームサーバ] ns02.example.com
[割当年月日] 2021/08/10
[返却年月日]
[最終更新] 2022/12/22 10:47:07(JST)

IPv6アドレスの割り当て情報

IPv6アドレスの割り当て情報でも、技術連絡担当者とネームサーバの間にAbuseの項目が出てきます。下記の例は担当者情報を登録した場合の例です。もちろん、メールアドレス・担当グループ情報も登録できます。

Network Information: [ネットワーク情報]
[IPネットワークアドレス] 2001:db8:2008::/48
[ネットワーク名] maru-net 
[組織名] ○○株式会社
[Organization] ○○ Corporation
[管理者連絡窓口] ZZxxxxJP
[技術連絡担当者] ZZxxxxJP
[Abuse]  ZZxxxxJP
[ネームサーバ]
[割当年月日] 2022/12/22
[最終更新] 2022/12/22 10:47:07(JST)

AS情報

AS情報では、技術連絡担当者とIMPORTの間に、”q. [Abuse]”の項目が追加になりました。下記の例は担当グループ情報を登録した場合の例です。IPアドレスの情報と同様に、メールアドレス・担当者情報も登録できます。

Autonomous System Information: [AS情報]
a. [AS番号] AS65536
b. [AS名] EXAMPLE
f. [組織名] □□株式会社
g. [Organization] □□ Corporation
m. [管理者連絡窓口] ZYxxxxJP
n. [技術連絡担当者] JPxxxxxxxx
q. [Abuse] JPxxxxxxxx
o. [IMPORT] from AS65537 100 accept ANY
o. [IMPORT] from AS65538 100 accept ANY
p. [EXPORT] to AS65537 announce AS65536
p. [EXPORT] to AS65538 announce AS65536
[割当年月日] 2022/12/22

Abuseの登録方法

2022年8月22日以降、割り当て等の新規申請の際に、Abuseを登録する項目が追加となっています。この項目に、メールアドレス・担当者情報・担当グループ情報のいずれか一つを登録する形となります。

既存の登録情報においては、登録情報変更の申請(ネットワーク情報変更申請、AS番号登録情報変更申請など)を行うことで、Abuseを登録する項目が表示され登録が可能です。この項目に、メールアドレス・担当者情報・担当グループ情報のいずれか一つを登録する形となります。

Abuse登録のお願い

今回登録が可能になったAbuseですが、今後登録を必須化する予定です。

IPアドレス管理指定事業者の方や、JPNICからIPアドレス・AS番号の分配を受けている方におかれましては、Abuseに対応するための窓口や連絡先を準備いただき、登録を行っていただけますよう、お願いいたします。

プロバイダ等からIPアドレスの割り当てを受けていらっしゃる方は、その割り当て元のご担当者に確認いただき、Abuseの登録(情報変更)を行っていただければと思います。

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