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IGF2023に向けて:日本IGFタスクフォースのご紹介

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インターネットガバナンスフォーラム(IGF)の2023年会合が、2023年10月8日から12日に、京都市にある国立京都国際会館で開催されます。

このIGF2023に向けた準備のために、JPNICは、日本IGFタスクフォース(以下、TF)に、設立発起人ならびに事務局として参画しています。ここではこのTFに関してご説明し、活動を紹介していきます。

TFの設立発起人は、JPNICの他に、一般財団法人インターネット協会(IAjapan)、一般社団法人日本インターネットプロバイダ協会(JAIPA)、IGF2023に向けた国内IGF活動活発化チーム、WIDEプロジェクトの計5団体です。2022年11月22日に開催された設立総会で設立され、会長にWIDEプロジェクトファウンダーの村井純さん、副会長にJPNIC理事長を務める東京大学の江崎浩さんを選出しました。総務省がオブザーバーとして参加し、日本経済団体連合会が早速協賛を名乗りだしてくださいました。2022年11月30日にWebサイトを準備するとともに、発足を発表しました。

設立趣意書に目的として示したのは、

IGF2023 が円滑に開催され、盛会となり、IGF を日本に誘致した効果を最大化するための対応を行うことを目的として、ここに日本 IGF タスクフォースを設立します。

日本
IGF タスクフォースは、全世界から集う IGF2023 の参加者の交流を支援するとともに、グローバルな情報社会に対して日本から的確かつ適切なメッセージを発信することにより、この目的を達成することとします。

の部分です。IGFの誘致は、総務省の政策方針として進められたものであり、グローバルインターネットの発展に寄与するとともに、日本からグローバルインターネットにメッセージを託すなど、主催国となることで実現したいことがあります。それを、民間において検討して政府に進言する、あるいは政府と一緒に検討するというのが、TFの活動の主な部分を占めます。

IGF2023に向けたプログラム編成の第一歩として、IGF 2023 Call for Thematic Input というものがありました。これは全世界のステークホルダーに対して、IGF2023において議論するべき領域、テーマは何かということに関してインプットを求めるもので、2023年1月末日を締め切りとしていました。TFでは、IGF2023で議論するべき内容、提言すべき内容に関するブレーンストーミングを年末に行いましたので、その内容に基づいてこのインプットを検討し、提出しました。このCall for Thematic Inputが、IGF事務局とIGF MAG(マルチステークホルダー諮問委員会)のプログラム編成の第一歩であったように、インプット検討がTFの内容検討の第一歩となりました。

インプットの検討においては、2023年という時間、(アジア太平洋地域の中の)日本という場所で開かれるIGFということを意識して検討されました。その結果、「アクセス」と「環境継続性」という2つのキーワードが浮かび上がりました。

「アクセス」に関しては2つの側面が示されました。1つは、Starlinkのサービス開始を始めとする、LEO(低軌道衛星)によるインターネットアクセス提供です。これによって地球上のありとあらゆる場所にインターネットアクセスを提供できる時代が訪れようとしています。もう一つは、ビデオストリームがインターネットのトラフィックの主要な部分を占めるようになったことで、日本においてはサッカーワールドカップの試合中継がABEMAによるインターネットを介した提供となり、それが大きな問題なく達成できたことが象徴的でした。

「環境継続性」に関しては、LEOによるインターネットアクセス提供に関連しますが、地球上のありとあらゆる場所にインターネットアクセスを提供できることによって、地球上のありとあらゆる場所のデータの採取が可能になり、環境継続性、あるいは他のSDGs諸ゴールに関する研究に、極めて良質のエビデンスを提供することが可能になる、という観点であり、マルチステークホルダーが集うIGFは、こういった技術基盤の提供者とデータを利用する研究者の集合点としても有効ではないか、という考えです。

これら2点を指摘する形で、Thematic Inputを取りまとめ、TFとして、村井会長名で提出しました。

ここまで、最近のTFの活動として、Thematic Inputの提出をご紹介しました。今後10月のIGF2023に向けて準備を進めていきますが、日本で開催されるIGFという絶好の機会を、日本の皆さんにもフルに活用していただきたく、いろいろなプロモーション活動を進めていく必要があります。IGF会合は、Workshopという種別のセッションを中心に、誰でもセッション提案を提出することができます。Workshop提案受付は、2023年4月1日から5月20日となっているという情報を得ており、これに向けて、日本の皆さんにも、積極的に提案していただけるよう、周知活動を進めていきたいと思います。嬉しいことにすでに「IGF2023でこういう内容のセッションをやろうかなと思っている」というようなお問い合わせも受けているところです。やりたいことは数えきれないですが、IGF2023を盛り上げていくために、準備を進めてまいりたいと考えています。

 

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