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News & Views コラム:IETFハッカソンの楽しみ方

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メールマガジンで配信したインターネットに関するコラムを、このブログでもご紹介しています。2023年2月は、国際標準化活動の場で積極的に活動なさっているセコム株式会社の瀧田悠一さんに、IETFハッカソンの魅力や参加するにあたっての心得をお書きいただきました。横浜で開催されるIETF 116も間近ですので、ぜひ参考にしていただければと思います。

 


インターネット技術の標準化を推進するIETF (Internet Engineering Task Force)の会議が、2023年3月に横浜で開催されます(IETF 116 Yokohama)。IETFではさまざまなイベントが開催されており、ここではハッカソンとその楽しみ方を紹介します。ハッカソンは、標準化が検討されている技術について、実装や相互運用性を検証する目的で開催されます。通常、IETFの会期はじめの2日間(土・日)で開催され、その成果は最後のプレゼンテーションや個別のWorking Group (WG)の会議で共有されます。

筆者はIETF 103からハッカソンに参加しています。現地の雰囲気としては、会場一面に参加者が集まって議論し、テーブルにさまざまな機器やPCが並んでおり壮観です!そんなハッカソンの楽しみ方について、筆者が思うポイントをお伝えします。

1. 仲間作り

ハッカソンにはチームで参加します。自身がチャンピオン(チームのリーダー)になってもよいですし、チームに所属する形でも参加できます。いずれにしてもハッカソンでは2日間、朝から夜まで目標に向かって開発に取り組むため、一緒に作業するメンバー・仲間がいた方が楽しく参加できます。筆者が初参加したときは、WGのInternet-Draft (I-D)著者からなるチームがすでに存在しており、そのサブチームという形で同僚と一緒に参加しました。

2. 十分な準備

ハッカソンではコーディングだけではなく、仕様に関する議論も行われます。その際には対象となるI-Dの用語を前提として会話がされるので、関連するI-Dを参加前に読んでおくことが大事です。限られた2日間、せっかくの場を楽しむためには、用語やメーリングリストでの議論の動向を事前に把握しておくと、自信にもつながってよいと思います。

3. オープンマインド

ハッカソンの会場には、さまざまな専門家が集まっています。他のWGの仕様でも誰かに質問してみると、人同士のつながりで仕様策定者や経緯が分かる方を紹介していただけることがあります。また反対に、フラッと立ち寄られた方に「どんなことをしているの?」と質問される場合もあります。チームに仲間が増えるチャンスでもあるので、自身の活動を紹介してみましょう!

 

以上、IETFハッカソンの楽しみ方について紹介しました。なおハッカソンの運営方針については、昨年「RFC 9311」が発行されており、こちらも併せてご参照ください。最後に、冒頭の通り次回のIETF会議は8年ぶりに横浜での開催となります。これを機会にぜひ参加いただき、現地の熱気に触れていただければと思います。

 


■筆者略歴

瀧田 悠一 (たきた ゆういち)

セコム株式会社 ビジネスデザイン研究室に所属。IoTに関する通信技術やセキュリティ技術の研究、プロダクト開発に従事。IETFには2018年から参加。IETFではSUIT (Software Updates for Internet of Things)やTEEP (Trusted Execution Environment Provisioning)のハッカソン・WGに参加。

 

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