News & Views コラム:異世界転生したら電子署名の標準化に関わっていた件
pr_team コラムメールマガジンで配信したインターネットに関するコラムを、このブログでもご紹介しています。2023年4月は、電子署名の標準化に関連する活動で大変精力的に取り組んでおられるテクノシステム株式会社の西窪健太さんに、標準化活動に関わるようになった経緯や、活動内容についてお書きいただきました。
タイトルはネタです。業務で必要になり電子署名を勉強していたら、いつの間にか電子署名の標準化活動に関わるようになっていました。どのような経緯でそうなったのか、ご紹介します。
コロナ禍を契機に紙の書類が激減し、代わりにインターネットでのオンライン手続きが増えました。便利になったのは間違いないですが、不便になったこともあります。紙の書類であれば押印することで本人が作成したことを比較的簡単に認めてもらえたのですが、電子文書に対して印影を画像データにして貼り付けても認めてもらえないことは少なくありません。紙の書類と同等の信用を持たせるためには、別の仕組みが必要です。それが電子署名です。
電子署名について詳しく知りたい方は以下をご参照ください。
https://www.jnsa.org/result/e-signature/e-signature-qa/
当時、私は電子文書をセキュアに発行する機能を製品に組み込む業務を担当しており、電子署名がぴったりだと思ったのですが、電子署名は人間が行うことを前提としたものであり、システムが発行する文書に自動で付与するような使い方はカバーされていないことがわかりました。
この課題を解決する方法を求めてJNSA電子署名WGを訪ねると、そこでシステムが利用できる電子署名として、電子シールという仕組みが検討されていることを知りました。最先端の仕組みをいち早く製品に取り入れるために積極的に議論に参加しているうちに、仕様を作るおもしろさに心を惹かれ、電子署名の標準化活動に関わるようになりました。
2022年にはクラウドを利用した電子署名の保証レベルについての議論に参加し、電子署名保証レベルガイドの要約版を公開しました。
https://www.jnsa.org/result/e-signature/2022/index.html
標準化の議論に参加することで、新しい世界を知ることができました。2023年は、国際会議で積極的に発言することが目標です。
■筆者略歴
西窪 健太 (にしくぼ けんた)
テクノシステム株式会社に入社後、製品開発を担当。お客様の課題に向き合うため、質の高いコミュニケーションを探求している。
ISO/TC 154/WG 6 委員。