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News & Views コラム:24時間365日の保守対応って可哀想?

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メールマガジンで配信したインターネットに関するコラムを、このブログでもご紹介しています。2023年12月は、2023年11月中旬に開催したInternet Week 2023のプログラム委員としてご協力いただいた、株式会社ミライコミュニケーションネットワークの田中温子さんにお書きいただいたコラムでした。多くの方々に支えられて成り立つインターネット。田中さんも、そのお一人です。エンジニアであることを享受なさっている田中さんのお姿は、とても爽快です。

 


この夏、私は有給休暇を取って、家族で初の沖縄旅行に行きました。泳ぎ疲れて砂浜で休んでいると、スマホがブブッと揺れました。障害発生の通知です。休暇中なので、私が対応する必要はありません。でも、気になってしまう私は、透き通る海を前に、スマホで障害対応の状況を見ていました。そんな私を見て、夫や子ども達は怒るでも呆れるでもなく、「ああ障害があったのか」と放っておいてくれました。

こんな話を聞くと、職業病とか、可哀想と思われるでしょうか。

私がエンジニアを志した理由は、パソコンを触るのが好きだったことと、職業を聞かれた時に「エンジニア」と言いたいというヨコシマなものでした。しかし、インフラエンジニアという職を選んだ時点で、24時間365日(24/365)対応は覚悟していました。

前職では、オープンソースソフトウェア(OSS)を使ったサーバ構築をする会社で、インフラエンジニアとして当番制で24/365対応をしていました。監視システムから携帯電話にアラートメールが来たら、リモートでサーバにログインして復旧させるというものです。現職でも同様に、24/365対応をしています。24/365対応は、いつ障害が起こるかわからないですし、障害が起きたら、深夜、早朝、休日、料理ができあがる直前でも、入浴中でも最優先で対応しなければいけません。

でも、そんな自分を可哀想だと思ったことはありません。復旧作業が終わったら「よく頑張った」と自分で自分を褒めています。今は、常時インターネットに繋がっているのが当たり前の時代です。地方で働く一エンジニアの私も、微力ながらにそれを支える一人なのだと思っています。

アラートが鳴ったら、子ども達は「ママ!!しょーがいだよ!!」と教えてくれます。「しょーがい」が何なのか、子ども達はまだよくわかっていませんが、インターネットを支えるという大切な仕事をしていると、いつかわかってもらえたらと思います。

 


■筆者略歴

田中 温子(たなか あつこ)

株式会社ミライコミュニケーションネットワーク技術部運用チーム所属。主にホスティングサーバの設計、構築、運用に従事。好きなのはメール。2022年11月に発足したChuNOG (中部ネットワークオペレーターグループ)のコアメンバー。Internet Week 2023プログラム委員。

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