News & Views Column:若手育成を考えるときに思い出すこと
pr_team コラム過去にメールマガジンで配信したインターネットに関するコラムを、このブログでもご紹介しています。今回は2026年4月のメールマガジンでお届けしたコラムを掲載します。2026年7月に愛媛県で開催されたJANOG58で実行委員長を務められた、シスコシステムズ 高橋翔さんにお書きいただきました。学生時代の原体験を交え、一般ユーザーがいる「緊張感のある現場」が若手育成に与える意義や、その後の育成の循環についての想いが込められています。
若手育成を考えるとき、私が思い出すのは、約10年前に私の地元・福岡で開催されたAPRICOT-APAN 2015です。APRICOT-APAN 2015の活動については、JPNIC NewsletterのNo.60 (2015年7月発行)で特集されています。
https://www.nic.ad.jp/ja/newsletter/No60/
過去の資料がずっとアーカイブ公開されているのは素晴らしいですね!この機会に見返してみてください。
当時、私はAPRICOT-APAN 2015ネットワークチームの学生メンバーとして「絶対に落とせないカンファレンスネットワーク」の現場作業を経験させていただきました。大学のサークル活動の一環でネットワーク運用というものの経験はありましたが、これは一般のユーザーがいる本格的な現場でした。
運用基準や体制は学生のそれとは異なり、会期中のヘルプデスク体制やエスカレーションの仕組みがしっかりしています。楽しみながらも頼れる大人たちが責任を持って安定運用をめざす、緊張感のある現場でした。普段は経験できないさまざまなことに触れ、終わったあとの感想は、「やりきった達成感」「現場の面白さ」そして「もっとこういうこともやってみたかった」という心残りが入り混じるものでした。
さて、冒頭で触れたNewsletterのネットワークチーム活動報告を見返すと、次世代を担うエンジニアの育成や地方の人材発掘も、この活動の目的の一つだったと記されています。当時から10年以上が経った今、当時学生だった若者たちは、この業界のさまざまな現場で活躍しています。
そして今、周りを見渡すと、例えばInternet Weekや各地で開催されるNOGにおいて、学生の皆さんに会場ネットワークの構築や運営を手伝ってもらう機会が増えてきているように思います。私自身、ネットワークベンダーの立場でNOC の技術支援をさせていただく機会があり、そこで若手の活躍を目にすることがありました。
先人の皆様へ。ぜひ、次世代の若手を育てる機会を、これからもさまざまな形で支えていただければと思います。そして、楽しむ余地はあるけれど決して遊びではない、ユーザーがそこにいる緊張感を持ったネットワーク運用というものをぜひ体験させてあげてください。
そこで学んだ若手が興味を持って、私達と同じ業界で活躍してくれるかもしれません。そして願わくば、近い将来、その若手がさらに次の若手を育てる側に立ってくれると嬉しく思います。
最後に少しご案内ですが、2026年7月に愛媛で開催される次回のJANOG58のテーマは「技術の成熟と次代への継承」です。次代を担う若手に向けて、皆さんと意見交換できる機会を楽しみにしています。
■略歴
高橋 翔 (たかはし しょう)
2017年にヤフー株式会社(当時)に新卒入社。データセンタネットワークの構築や運用に従事。現在はシスコシステムズ合同会社のカスタマーサクセスに従事しており、データセンタ製品を活用するための技術支援を担当。JANOG58 Meeting 実行委員長の一人。
(編集者注: JANOG58はすでに終了しています。)
