News & Views Column:ネットワークエンジニアが届けるのはトラフィックだけか
pr_team コラム今回のコラムは、Internet Week 2026のプログラム委員としてご活躍されている、国立研究開発法人情報通信研究機構の牛込龍太郎さんにお書きいただきました。Internet Week 2026の開催を前に、ネットワーク分野に未経験から携わってきたご自身の経験を振り返りながら、実際に機器に触れ、試行錯誤することの面白さや、若い世代へネットワークの魅力を伝えていくことへの想いについてお書きいただきました。
Internet Week 2026(以下、IW)の開催がいよいよ来月11月と迫ってまいりました。「AI時代を生き抜く術を学べ」をテーマに今年もさまざまなジャンルのプログラムが素敵な講演者の皆様によって展開され、各分野のベテランの方からこれから業界への就職を考えている学生の方々まで幅広い年齢層の来場者がいらっしゃることでしょう。また、現地開催期間中には若手の方々を中心とするIWNOC (Internet Week Network Operations’ Center)の皆さんが事前の入念な準備を経て会場ネットワーク運用を支えてくださいます。
このように多くの若い方々がIWを通じてネットワーク分野に興味を持ってくださっていること、携わってくださっていることはプログラム委員の一人として喜ばしい限りです。一方でこの興味の盛り上がりの流れを次の世代、その次の世代へと絶やさないようにするにはどのようにすれば良いのかということも、最近は考えることが増えました。
私自身は社会人になるまでネットワーク分野においてまったくの未経験者でしたが、今日に至るまで何に惹かれてネットワーク設計・運用を続けているかと改めて見つめ直してみますと、IT分野においてリアルとバーチャルのちょうどいい案分の領域、自身が手を動かしたものがどう動いているかなるべく物理的に五感で感じられる分野というところが、携わっていて楽しいと感じているのかもしれません。ネットワーク機器が通信を中継できるようになるまでに物理的には電源コネクタの規格、電圧、通信ケーブルの規格、インターフェース、論理的にはVLAN ID、サブネットマスク、ルーティングなど慣れている方にとっては自然と考えられることも、未経験者だった私にとっては会社の機器を借りて一つずつトライ&エラーを繰り返して設定していったものでしたが、苦悩した時間も今となっては良い思い出ですし大切な経験です。
仮想化・クラウド化が当たり前で大抵のことはノートPC 1台から指示するだけでできてしまい、またテレワークの就業環境がすっかり定着したこのご時世において、物理的な作業が多く発生しがちなネットワークエンジニアにどの程度の方が魅力を感じてくださるかはなかなか読みづらいところではあります。しかし、今後のInternet・ネットワーク業界の発展に少しでも貢献するためにも、IWをはじめとするさまざまな集まりの機会での交流を大切にしながら、業界の魅力を丁寧に発信し続けていきたいと思っている次第です。そしてぜひベテランエンジニアの方だけでなく、この業界に足を踏み入れたばかりの皆さんからも積極的にご自身のエンジニアとしての活動を発信していただき、次の世代の方により親しみを覚えてもらえれば良いな、と願っております。
■ 筆者略歴
牛込 龍太郎 (うしごめ りゅうたろう)
2019年 国立研究開発法人情報通信研究機構入構。サイバーセキュリティ分野の研究開発に用いるネットワークの設計・運用を担当。2025年よりInternet Week プログラム委員会へ参加。
