技術の変化を捉え、これからの現場を考える~Internet Week 2026「最新動向」カテゴリのご紹介
event_team JPNICからのお知らせ11月19日(木)から27日(金)に開催する「Internet Week 2026」。「AI時代を生き抜く術(すべ)を学べ」をテーマに、インターネットにまつわる幅広い内容のプログラムを約30個お届けします。
JPNICブログでは、Internet Week 2026の注目プログラムや見どころなどを順次ご紹介していきます。IW2026で自分に合った学びを見つけるためのヒントをお届けする予定です。
今回のIWは、プログラムを「ベーシック」「最新動向」「実践」の3カテゴリに分けて構成しています。

本稿では「最新動向」カテゴリを取り上げます。
「最新動向」カテゴリの注目プログラムや、ほかのカテゴリと組み合わせた学び方について、最新動向チームで副リーダーを務めた、プログラム委員の岩田 友臣さん(独立行政法人情報処理推進機構 産業サイバーセキュリティセンター)にお話を伺いました。
―「最新動向」カテゴリでは、まさに最新の情報を取り扱うと思いますが、特にどんな変化に注目していますか?

今年、特に大きな変化として押さえておきたいのは、やはりAIです。ただ、AIそのものの技術進化だけでなく、ネットワーク運用やインフラ、セキュリティ、人の役割まで、どう変わっていくのかを見ることが重要だと思います。
今年の「最新動向」カテゴリでは、AIOps、AI/HPCインフラ、インシデント対応、ガバナンス、教育など、AIに関わるテーマを複数のセッションで取り上げています。
「AI教室 2026」では、生成AIやAIエージェント、フィジカルAI、MCPなど、次々に登場する技術やキーワードを整理します。「AIエージェント時代のネットワーク運用」では、AIを活用した運用自動化(AIOps)がPoCから実運用へ進みつつある現在地を取り上げます。また、「AI / HPC インフラ最前線 2026」では、AIを支えるデータセンターやネットワークの変化を紹介します。
技術としてのAIだけでなく、インターネットを支えるさまざまな領域に、どのような変化をもたらしているのかまで見ていただきたいと思います。
―AIをはじめとして、技術の変化が速い中で、流行を追うだけでなく「何が本当に変わっているのか」を捉えるには、どんな視点が必要でしょうか?
新しい技術が登場したことだけでなく、それによって既存の仕組みや運用がどう変わるのかを見ることが大切だと思います。
新しいキーワードや製品を追うだけでは、何が本当に変わっているのかが見えにくくなります。「これまで人が担っていた作業や判断がどう変わるのか」「既存のシステムや運用をどこまで見直す必要があるのか」といった影響に目を向けることが重要です。
企画を担当した「AI時代のセキュリティインシデント対応」では、2つの視点からこの問いを考えます。
一つは、大学のCSIRTがインシデント対応の現場でAIエージェントを使ってきた経験です。AIの性能だけでなく、対応記録やログをどう整理して渡すかによっても結果が変わります。そこで、うまくいった情報の整理方法や、AIに任せられる範囲、それでも人が担う役割を紹介します。
もう一つは、インシデント対応の事例からの視点です。AIによる分析が進んでも、現場では不完全な情報から状況を捉え、次の行動を決めなければなりません。レスポンスからハンドリング、危機管理へと局面が移っていく中で、今「人」が何を担っているのかを考えます。
AIを導入するかどうかだけでなく、活用が進む中で、インシデント対応の進め方や人の役割がどう変わるのかを具体的に考えるセッションです。
また、「PQC移行の現在地とこれから」では、実装・標準化が先行するTLS 1.3を手がかりに、移行を実際にどう進めるのかを取り上げます。製品が出そろう前から何を準備できるのかにも注目します。
「新しいかどうか」だけでなく、「実際の基盤や運用にどんな変化が起き始めているか」を見ることで、一時的な流行なのか、今後も続く本質的な変化なのかが見えやすくなると思います。
―「まだ自分の業務には直接関係ない」と感じるテーマにも、触れてみてほしいですか?
そうしたテーマにも目を向けることで、インターネット全体の変化を捉えやすくなると思います。
普段使っているサービスやネットワークの裏側には、日常的には意識することの少ない、さまざまな技術があります。それぞれが独立しているのではなく、互いに関わりながらインターネットを支えています。今は身近に感じない分野でも、将来、自分の業務とつながってくることがあります。
例えば、「IPv6で拡がるAIホーム」では、Matterの国内外での普及動向とともに、通信事業者とMatterの連携や、IPv6ネットワークの観点からスマートホームを支える技術を紹介します。
「DNS Update」では、Root、JP、逆引き、フルサービスリゾルバ、ドメイン名、IETFなど、インターネットの基盤を支えるDNSの最新動向をまとめて把握できます。
こうした分野に触れると、自分の専門分野だけを見ていては気付きにくい、技術同士のつながりが見えてきます。それが視野を広げることにつながると思います。
―「最新動向」で知ったことを、「ベーシック」や「実践」と結び付けるには、どんな受講の仕方ができますか?
「最新動向」で今、何が変わっているのかを知り、気になったテーマについて「ベーシック」で原理原則を理解したり、「実践」で現場への落とし込み方を確認したりしていただきたいです。
新しい技術や動向を知るだけでは、その背景にある仕組みまで十分に理解しにくいことがあります。一方、原理原則を知っているだけでは、実際の現場で何が課題になり、どう変化しているのかが見えにくいこともあります。
例えば、「AI / HPC インフラ最前線 2026」でデータセンターの変化を知った後に、ベーシックの「データセンター入門(ラック内探検編)」で、サーバラック内部や周辺機材の基本を押さえる、という見方ができます。
また、「2026年のフィッシング動向と対策の現状」で最新の脅威や対策を知ったうえで、メールに関する対策は、実践の「メール到達性となりすまし対策を両立する最新動向を踏まえた実践ロードマップ」を通じて、具体的な運用へつなげることもできます。
講演の聴き方は「最新動向で知る」「ベーシックで理解する」「実践で確かめる」という順番に限りません。実践で感じた疑問をベーシックで確認したり、ベーシックで学んだ内容が今どう変化しているのかを最新動向で見たり。3つのカテゴリを行き来することで、理解がより深まると思います。
―「最新動向は、自分にはまだ難しそう」と感じている人へ、一言お願いします。
すべてを理解しようとしなくても大丈夫です。まずは「今、こういう変化が起きている」と知るところから始めてみてください。知らなかった分野に触れて、「こんなことが起きているのか」と気付くだけでも十分です。
最終日の「IP Meeting 2026」も、インターネットを取り巻く変化の全体像をつかむ機会の一つになると思います。
第一部「インターネット運用の現在地 2026」では、24年間にわたるインターネット動向の定点観測をもとに、インターネットの変化を大きな流れとして振り返ります。第二部「インターネットとAIの未来は誰が決めるのか」では、レジリエンス、地政学、インターネット・ガバナンス、AIガバナンスまで視野を広げます。第三部「AI時代を生き抜く術を学べ!」では、「情報」教育を手がかりに、AI時代に必要となる知識や考え方をあらためて見直します。
「最新動向」は、詳しい人だけが最新技術を追いかけるためのカテゴリではありません。自分の専門外も含めて少し先の変化を知り、「これは自分にも関係がありそうだ」と感じるための入口として、活用していただければと思います。
―ありがとうございました。
今、起きている変化を知ることは、自分の業務や、次に学びたいことを考えるきっかけにもなりそうです。普段の担当分野に限らず、気になるテーマから触れてみてはいかがでしょうか。参考にしてしていただけるとうれしいです。
プログラムの詳細は、Internet Week 2026 最新動向プログラムの一覧もご覧ください。
Internet Week 2026テーマ「AI時代を生き抜く術(すべ)を学べ」
◆オンラインWeek :2026年11月19日(木)、20日(金)、23日(月)
◆カンファレンスWeek:2026年11月25日(水)~27日(金) 東京・KFC Hall & Rooms
Internet Week 2026 プログラム:
https://internetweek.jp/2026/archives/program/
詳細はInternet Week 2026 Webサイトをご覧ください。
参加申込
参加申込は下記URLよりご覧ください。
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https://internetweek.jp/2026/application
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