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カンファレンスネットワーク構築のTips ~Internet Week 2015 ネットワークの舞台裏~

投稿者 tech_team on 2015年12月21日

先月11月20日、Internet Week 2015が無事終わりました。ご来場ならびにご協力いただいた皆様方、ありがとうございました。

JPNIC技術部は、Internet Weekにおいては事務局の一員としてプログラム委員会でのプログラム内容策定の調整のほか、会場ネットワーク構築・運営にも従事しておりますが、会場ネットワークの構築・運営には、外部の皆様にも多大なるご協力をいただいております。

今年は、機材をシスコシステムズ合同会社、会場インフラを富士ソフト株式会社にご協力いただいたほか、ネットワークチームメンバーとしてICT教育推進協議会CONBU(COnference Network BUilders)にもご協力をいただきました。

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ネットワークチームの学生メンバー達

ICT教育推進協議会からはこの5年間、協議会に所属する教育機関の学生さんたちをご紹介いただいており、今年も6名の方にご協力いただきました。

ふだん、学生さん達は学校でネットワークについて机上では習っているものの、なかなか実際のネットワークに触れる機会が無いとのことで、今回のようにネットワークを臨時で構築し運営・撤収まで従事できる機会を持つことができてうれしい、との声を例年いただいております。

今年の参加レポートもいただいております。

IW2015参加レポート (ICT教育推進協議会 Web)
http://www.ictepc.jp/pdf/2015_5th_eventnetwork_report.pdf

CONBUは、次のようにカンファレンスネットワークの構築のエキスパートの方々が集まっている集団となり、その卓抜した知見と円滑な連携におおいに助けられました。

CONBUとは何?

CONBUはCOnference Network BUildersの略称であり、大規模なカンファレンスや勉強会が行われる会場において、会場ネットワークを構築し、インターネット接続を提供するネットワークエンジニアの集団です。

CONBUにてカンファレンスネットワークの作り方についてノウハウを公開しており(末尾リンク参照)、ここで付け加えることなど無いのではないか、と思えるほどなのですが、私たちと同じようにイベント・カンファレンスネットワーク構築に取り組まれているインターネット業界の皆様の一助となればと思い、以下にこれまでJPNICで蓄積してきたtipsの一部として、ネットワーク機器の扱い方のtipsおよび機材運送法の2点について皆様にお伝えします。

ネットワーク機器の扱い方のtips

イベントネットワークを支える基盤となるネットワーク機器ですが、これを会場とは別の場所でホットステージとして構築し、その後イベント会場へ持ち込みされる場合が多々あります。

このネットワーク機器についてtipsをいくつかご紹介します。

まず基本的な話からになりますが、できるだけ会場の図面を入手して、どこにどの機器を置くか、事前に物理配置を設計しておくべきです。図面上、機器間の距離をメモしておくことも重要です。ネットワーク機器同士をつなぐケーブルが一般的なUTPなら、長さの上限は100mです。その制限内で配線可能かどうか、距離を意識しておく必要があります。会場の状況によっては、ハブなどで増幅できず長いツイストペアケーブルを目一杯活用して配線する場合があります。

また、無線アクセスポイントなどへPoEで配線する場合も多いかと思いますが、その場合は100m目一杯まで給電できないこともありますので、確認が必要となります。

建物構内のタテ系統の接続は光パッチで実施されることがあり、その場合の規格はどうなのか(SC/LC、SMF/MMFなど)確認しておく必要があります。光ケーブルは持ち運ぶと性質上痛みやすいので、持ち込みのパッチケーブルは予備を用意しておくとよいでしょう。

機器構築およびトラブルシューティング時にはコンソールケーブルで機器にアクセスすることになりますが、借用機材の種類によっては手持ちのコンソールケーブルでは規格が異なっており接続できない場合がありますので、機材にあったコンソールケーブルを準備しておくことが重要です。

イベントが無事終了した後には、借用していた機材を返却する必要があります。投入したコンフィグはクリアしておくべきですが、撤収・返却にはあまり作業時間を取れないことが多いので、コンフィグのクリア方法については、コマンドラインでクリアするか、機器のハードウェアスイッチ操作でクリアするかの手段を事前に確認しておくとよいでしょう。

機材運搬方法のtips

上記を踏まえ苦労して構築したネットワーク機器や、取り回しまで確認して準備したケーブル類も、現場に運び込まないと意味がありません。

現場に運ぶ方法も選択肢が複数あり、ここでは体験を踏まえその手段の整理をします。

宅配便

個人向けサービスでなじみのある方も多いかと思います。各オフィスで定常的に集荷に来ている業者がいる場合、そこに依頼すると請求などの対応が楽になる場合があります。イベント最中で立て込んでいる中、現金の取り扱いが発生すると事務処理が煩雑となってしまいますが、所属のオフィスにて後払いで処理ができると簡便です。ただし、宅配便については、荷物のサイズ・重量について該当運送業者の取扱い範囲内か確認が必要です。機材類は重いので、一箱で20kg~30kg程度の重さとなってしまう場合があります。超過した場合は、当該業者の別サービスを用いるか、業者の選択自体の再考が必要となることがあります。

ロールボックスパレット便

ロールボックスパレットは、カゴ車とも呼ばれる、縦横1m、高さ2m程度の金属製のカゴに台車が着いたものです。

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画像の引用:独立行政法人労働安全衛生総合研究所Webより

運送業者によっては、このパレットに荷物を積んで、そのまま輸送できるサービスを提供している場合があります。宅配便と違って、伝票を個別の荷物に貼る必要が無いことと、荷物の似姿次第では簡易な梱包で積載できる点が利点です。ロールボックスパレットは基本的には運送業者での運搬となることが多いと思いますが、一時的な移動など自社で扱う場合には、そのサイズおよび重量を鑑みて、事故など無いよう安全への配慮が必要となります。下記URLをご参照ください。

独立行政法人労働安全衛生総合研究所 ロールボックスパレット使用時の労働災害防止マニュアル 安全に作業するための8つのルール
http://www.jniosh.go.jp/publication/houkoku/houkoku_2015_02.html

各種トラック便、イベント輸送サービス

上記手段は個別の荷物やパレットを手配するものですが、運送用トラックごと借りて運送するサービスを使う手もあります。トラックごと借りるので上記の手段と比べて高額となる場合が多いかと思いますが、専門業者に運搬全般を任せることができると楽という利点はあります。

備考

上記手段のいずれについてもですが、運送中の荷崩れ、雨天のリスクなどにそなえた梱包・積載方法には十分配慮しておく必要があります。また、運送時に保険契約を付帯できる場合が多いかと思いますので、事前に運送対象の物品の価格を確認しておきましょう。台車を使ってビル内のエレベータを移動する場合は、物品搬入出申請を要求される場合もあるので、事前に確認しておきましょう。

カンファレンスネットワークについて、インターネット業界の皆様の知見には教えられることばかりです。ここに謝意を表してリンクを掲載させていただくとともに、本記事がカンファレンスネットワーク構築・運営の一助となることを祈念しております。

CONBU様によるカンファレンスネットワークについての発表スライド

カンファレンスネットワークのツクリカタ - CONBU
http://www.slideshare.net/tomatsu2k/ss-52035326
CONBUはみんなと仲良くなりたい - CONBU
http://www.slideshare.net/tajibot/yap-ctechtalk-conbu20141029pub
YAPC2014 YAPC::Asia 2014 会場ネットワークのツクリカタ - Making a Conference Networks - CONBU
http://www.slideshare.net/tajibot/yapc2014
CONBU LL Diver/YAPC::Asia 2014 Network - CONBU
http://www.slideshare.net/YuyaTakahashi8241/conbu-ll-diveryapcasia-2014-network

JANOGにおいてもカンファレンスネットワークの知見が発表されております。ここでは発表内容のスライドを紹介します。

JANOG LT night#1 CONBUの道具箱 - 田島 弘隆 (Genie Networks)
http://www.janog.gr.jp/meeting/lt-night-1/download_file/view/13/360/1
JANOG LT night#1 カンファレンスネットワークの物品借用心得 - 高田 美紀 (NTTコミュニケーションズ株式会社)
http://www.janog.gr.jp/meeting/lt-night-1/download_file/view/18/360/1
JANOG33.5 カンファレンスネットワークはつらいよ 松崎 吉伸 (株式会社インターネットイニシアティブ)
http://www.janog.gr.jp/meeting/janog33.5/doc/janog33.5_confnet.pdf