JANOG45 Meeting 参加レポート 1
event_team IPアドレス インターネットの技術 他組織のイベント2020年1月22日(水)から1月24日(金)までの3日間、北海道札幌市でJANOG45 Meetingが開催されました。冬の札幌開催ということで会期中は雪が降った日もありましたが、主催者発表によると3日間で1500名以上と大変多くの方が参加されたそうです。日中でも気温が氷点下になることもありましたが、会場の中はしっかり暖房が効いていて3日間のJANOGを快適に楽しむことができました。
JPNICブースではIPアドレスカルタを配布!
JPNICのブースの様子。APNICと並んで出展しました。
ブースでは「IPアドレスよろず相談会」と題して、IPアドレスに関するお悩みや質問などにお答えしました。また、先日のBLOGではモザイクで隠されていた新作ノベルティ「IPアドレスカルタ」をブースにお越しいただいた方にお配りしました 🙂
IPv4アドレスとその用途がペアになっています。取り札は、IPアドレスの札でもいいですし、アドレスの用途が書かれた札にしてもOKです 🙂
カルタは全部で17種類あります。皆さんは全部わかりますか!?
ブースの机にカルタを並べて、お越しいただいた方に遊んでいただいたり、またTwitter等にもあげていただいたりして、大変好評でした。「プライベートアドレスとかは簡単だけど、各RIRの最後の/8が分からない!」と苦戦されている方も多かったのですが、中には全問正解された強者もいらっしゃいました。 😎
また、今回はIPv4アドレスだけでしたが「IPv6にも対応したデュアルスタックのカルタがほしい!」「IPv6 onlyのカルタもほしい!」などのコメントもいただけましたので、またどこかの機会でバージョンアップしたIPアドレスカルタを配れればと思います。
セッションレポート
JANOGではJPNICに関連するセッションがいくつかありましたので、写真とともにその様子を紹介したいと思います。(なお、写真はJANOGミーティングフォトアルバムより引用しています。)
DNSSECの普及に必要な何かは何か
日本においてDNSSECの普及がなかなか進まない理由について、モデレーターである当センターの岡田から問題提起がされた後、セキュリティ、ネットワーク、サービス運用といった異なる3つの立場からの発表がありました。特に印象的だったのが、海外のDNSSEC普及率でした。APNIC Labsの調査によると海外でDNSSECの普及が進んでいる北欧3カ国やサウジアラビアで、DNSSECの検証が既に80%を越えているそうです。その中からスウェーデン、アイスランド、サウジアラビアの3カ国の事業者にどうして普及が進んでいるのか聞いてみたところ、国が主導しているケースもありますが、いずれも共通して国内のコミュニティがDNSSECの普及に向けてトレーニングを企画し、精力的に活動しているということが分かったそうです。
APNIC Labsによる統計調査 DNSSEC Validation Rate by country https://stats.labs.apnic.net/dnssec
WHOISを地域拠点とconnectし冗長化してみた話
JPNICの提供するWHOISサービスを地域冗長化した取り組みについて、当センターの塩沢が登壇しました。地域拠点WHOISへの切り替えには、導入コスト、冗長性、IPアドレス直打ちクエリの有無といった観点から、DNSラウンドロビンとA/AAAAレコードの切替が有効な手法かどうか、実際に検証してみた結果が発表されました。会場からは、DNSラウンドロビンを使う際、クライアント側のアプリケーションの実装によってはIPアドレスを保持し続けるので気をつけた方が良いといったコメントや、BGP Anycastの実現についてのコメントが寄せられました。
prop-132: Policy Implementation Update
APNICのGeorge Odagiさんと当センターの中川から、「Prop132: APNICが管理する未割り振り・未割り当てアドレスへのRPKI ROA発行」を中心にポリシー実装に関する最新情報が共有されました。Bogonアドレスの不正広告をRPKIを利用しAS0のROAで簡単にフィルタリングできるようにするという目的のポリシーですが、会場からはROAキャッシュにAS0が残ってしまった場合はどうなるのかといった質問がありました。また発表の最後には2020年2月にオーストラリアのメルボルンで開催されるAPRICOT 2020/APNIC49が紹介されました。ポリシー実装に関する議論だけではなく、今回紹介されたRPKIをはじめ、IPv6、DNSSECなどのチュートリアルも開催されますので、興味のある方は現地参加はもちろん、JPNICでもメールマガジン等で情報発信しますので是非ご覧いただければと思います。
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このほかにもJANOGのFacebookページには会期中の写真が数多く公開されています。また、JANOGでの発表や議論の様子は後日アーカイブが公開されるそうですので、参加できなかった方や聞きそびれたセッションがある方はご覧になってはいかがでしょうか。
次回、JANOG46は夏の沖縄で開催予定です。次回のJANOGでもまた皆さんにお会いできることを楽しみにしています!