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オンライン開催のAPNIC 50はいかがでしたか?

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APNICをはじめとする地域インターネットレジストリ(RIR; Regional Internet Registry)のミーティング・カンファレンスでは、これまで参加者が対面で議論を行うオンサイトでの開催をベースとして、リモート参加が積極的に導入されてきました。オンサイト開催とリモート参加のハイブリッド方式が、議論の透明性確保や、より多様なバックグラウンドを持つ人の参加を促すことにもつながっています。

以下のブログ記事でもご紹介したように、各RIRが2020年4月以降に開催したミーティングは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて完全オンライン方式となるところがほとんどでした。どのRIRでも、当初想定されていなかった完全オンライン方式への切り替えに特に目立った混乱は見られませんでした。これは、リモート参加が認知・定着していたからこその成果だと思います。

参加者の立場からみても、これまでのAPNICカンファレンスと比べても違和感は少なく感じました。開催地まで赴くための時間や費用が削減でき、日常業務の合間に、気になる部分だけ気軽に参加できるようになったのが大きく変った点でした。その一方で、セッションの合間に発表者と雑談を交えた議論や、参加者同士で近況を報告しあうといった、オンサイト開催であれば気軽にできたようなことが難しくなってしまったのは少し残念で、何か解決策を見出す必要のある点かもしれません。

夏のAPNICミーティング恒例のNRO NC(Number ResourceOrganization Number Council)選挙も、APNICメンバー/参加者向けポータルサイトMyAPNICから投票しました

筆者は今回、APNIC 50において発表者としても参加しました。発表者向けの詳細なマニュアルが用意されていたほか、事前にオンライン会議システムのZoomの利用方法を確認するためのリハーサルセッションや、スマートフォンアプリのWhatsappを利用したAPNIC事務局と発表者の連絡用チャットチャンネルが用意されているなど、準備がとても行き届いていました。

リハーサルセッションでは、発表者それぞれがバーチャル背景の映り具合、画面共有と音声のテストなどを行いました

APNICでは、2020年6月から8月にかけて、APNIC地域の各NOGと連携して「Networking From home」というイベントを開催していました。各回とも3時間程度となっており、APNICカンファレンスと比べれば短時間のプログラムでしたが、このイベントがAPNICカンファレンスを完全オンライン開催するための経験の蓄積につながっていたのだと思います。

Networking From Home ホームページ

次回のAPRICOT 2021/APNIC 51カンファレンスは、2021年2月22日~3月4日の予定で開催されます。現状を鑑みてオンライン開催の予定となっていますが、フィリピン・マニラでの開催も模索しているようです。プログラムなどの詳細は11月~12月頃に公開されることになっています。

1年後のAPNIC 52カンファレンスは、2021年9月8日~16日の日程で北海道・札幌市での開催を予定しています。2002年9月に開催されたAPNIC 14カンファレンス以来、19年ぶりに夏のAPNICカンファレンスを日本で開催することとなります。札幌で皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。それまでは、オンライン開催のAPNICカンファレンスでお会いしましょう!

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