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IGF 2020および国内事前会合報告

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第15回IGF/IGF 2020が11月2日(月)より開始していますが、それに先立つ10月27日(火)にJPNICと一般社団法人日本インターネットプロバイダ協会(JAIPA)が共催で「IGF2019/2020に関する会合」を開催いたしました。本稿では、IGF 2020と「IGF2019/2020に関する会合」の両方について概要をご報告します。

 

IGF 2020

●開催概要

2020年のIGFは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として、他の多くのイベントと同様、完全遠隔登壇、遠隔参加となりました。そのためか、同時並行トラック数は少なくなり、会期は次に示す通り、質疑セッションを除くと約2週間と長くなりました。

  • 11月2日(月)~6日(金):プレイベント、テーマ別導入セッション、オープンフォーラム、NRIセッション、動的連携(DC)セッションなど
  • 11月9日(月)~17日(火):ワークショップ、メインセッション、ハイレベル指導者トラック、議員円卓会議、テーマ別まとめセッションなど
  • 11月25日(水):自由質疑セッション

セッション数は250以上、参加登録者数は4,500名以上、登壇者数は1,000名以上と、旅費および移動時間の制約がないせいか、セッション数および参加者数はこれまでよりも増えています。

遠隔登壇および参加手段として、Zoomが使われています。また、YouTube Liveでライブ視聴および録画視聴もできるようですので、遅い時間のセッションは時間をずらして視聴することが可能です。ただし、YouTube Liveではチャットが無効化されており、質問をされたい方はZoomでリアルタイムに参加する必要があります。遠隔参加方法 順を追って説明した詳細参加方法  発言のライブ文字起こしサービスも提供されています。

当初、参加申込は開催前に締め切られる予定でしたが延長され、11月4日時点でまだ申込できるようです。YouTubeで視聴するだけなら参加登録は必要ありませんが、プログラム一覧を見るには参加登録が必要で、プログラム数が膨大なことと、YouTubeの動画は開催日ごとなどの整理はなされていないため、参加登録をすることをお勧めします。参加申込リンク

●テーマ

IGF 2020のテーマは次のようになっています。

包括テーマ:  

Internet for human resilience and solidarity人類の回復力と連帯のためのインターネット

重点テーマ:

  • データ Data 
  • 環境 Environment 
  • 包摂 Inclusion
  • 信頼 Trust

特別テーマ:

  • デジタル協力 Digital Cooperation

 

●プログラムの種類

主なものは次の通りです。

  • メインセッション
  • ワークショップ
  • ベストプラクティスフォーラム
  • オープンフォーラム
  • 動的連携(Dynamic Coalition)
  • NRI協働(Collaborative)セッション

メインセッション

メインテーマに関するセッションは、次の日程で開催されます。時間帯は日本時間です。

  • データ(Data):11月9日(月)18:20~19:50
  • 環境(Environment):11月10日(火)00:40~02:10
  • 信頼(Trust):11月10日(火)21:30~23:00
  • 包摂(Inclusion):11月12日(木)03:30~05:00
  • デジタル協力(Digital Cooperation):11月13日(金)02:50~04:20

ワークショップ

  • Data データ(18セッション):DoH、AI、プライバシー、データ保護、データ流通など
  • Environment 環境 (12セッション):環境持続性、気候変動に関する偽情報、持続可能性(sustainability)、循環経済など
  • Inclusion 包摂(26セッション):言語、女性、農村地域、差別、能力開発、人身売買、Universal Acceptanceなど
  • Trust 信頼(33セッション):選挙における偽情報、ヘイトスピーチ、オンラインゲームと子どもの権利、デジタル冷戦、医薬品へのアクセス、国連サイバー対話、人権など

NRI(国別・地域別IGF)関連セッション

  • NRIメインセッション「緊急時におけるインターネットの役割」: 11月14日01:50 ~ 03:20 日本時間 (13日16:50-18:20 UTC)
  • NRI協働(Collaborative)セッション:複数の地域にまたがるNRIによって企画開催される、対話的なセッション【以下の7セッション、時刻はいずれも日本時間】

11月4日(水)21:20 ~ 22:20

サイバーセキュリティに関する各地方の政策・標準

11月4日(水)22:50 ~ 23:50

持続可能性に関するデータ利用

11月5日(木)03:40 ~ 04:40

デジタル時代における職/仕事の未来

11月5日(木)23:20 ~
11月6日(金)00:20

デジタル経済:デジタル主権に関する地域をまたいだ規制および影響

11月6日(金)03:10 ~ 04:10

コンテンツ規制の技術的側面

11月6日(金)23:50 ~
11月7日(土)00:50

アクセスとデジタル包摂

11月7日(土)03:50 ~ 04:50

民主主義に関するデジタルの権利と影響

オープニングセッションその他

  • オープニングセッション:11月9日(月) 23:00 JST ~ 11月10日(火) 00:30 JST
  • 議員円卓会議(Parliamentary Roundtable):11月11日(水) 02:00 ~ 03:30 JST
    • 参加者リストのうち各国政府からの参加予定:ブラジル、中国、ドイツ、ギニア、インド、日本、韓国、ペルー、ロシア
  • ハイレベルリーダーズトラック
    • 保健衛生の影響:11月11日(水) 17:00 ~ 18:30 JST
    • 経済:11月12日(木) 19:40 ~ 21:10 JST
    • セキュリティ:11月14日(土) 03:30 ~ 05:00 JST
    • 社会の発展:11月17日(火) 00:40 ~ 02:10 JST
    • 環境:11月18日(水) 01:00 ~ 02:00 JST
    • 国連によるまとめ:11月18日(水) 02:20 ~ 04:20 JST
  • 上記3種類のセッションは、国連のUN Web TVで中継されるとのことです。
  • 自由質疑/意見セッション:11月25日(水) 23:00 ~ 11月26日(木) 01:00 JST

 

●雑感

これまでご覧いただいた通り、盛りだくさんとなっているため、見たいセッションを絞り込まないと時間がいくらあっても足りない、ということになると思います。IGF 2019から導入された、議員セッションは今回も継続され、ステークホルダーを広げるという意味で意義のあることだと思われます。

さまざまな影響を与えたCOVID-19ですが、その名前を冠するセッションが10ほど見受けられ、IGF 2020ならではと思いました。完全オンライン化により参加のハードルが下がったのはよいことで、特に途上国の方にとっては参加しやすくなったものと思われます。

 

IGF2019/2020に関する会合

2019年に倣えばこの時期にはIGF 2020の事前会合を開催することになりますが、2月末に予定していたIGF 2019の報告会が新型コロナウイルス感染症のため延期となり、IGF 2019の報告会とIGF 2020の事前会合を兼ねた形として開催されました。

●開催概要

開催日時: 2020年10月27日15時~18時

開催形式:  完全オンライン

主催: 一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)

     一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC) 

後援: 総務省

参加者数: 39名

第1部はIGF 2019の報告、第2部はIGF 2020の事前会合として関心のあるプログラムを紹介する、という内容となりました。

●プログラム(発表者敬称略)

イントロダクション

  • JAIPA 会長  会田 容弘
  • 慶應義塾大学  村井 純(録画)
  • JPNIC  前村 昌紀

第1部: IGF2019を振り返る

  1. IGF2019の概要/テーマData Governanceに関する話題紹介
    LINE株式会社    兼保 圭介
  2. テーマSecurity, Safety, Stability and Resilienceに関する話題紹介
    日本電気株式会社  上田 格
    一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC) 小宮山 功一朗
  3. 日本政府としての成果
    総務省国際戦略局  飯田 陽一
  4. IGF初参加者からの感想報告
    株式会社ドヴァ  新垣 杏里
    日本電気株式会社  上田 格
    株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ  矢田 一樹

第2部:IGF2020ワークショップの一推し

  1. IGF2020参加案内  JPNIC  山崎 信
  2. OF #27 Promoting Trust on the Internet through Osaka Track 
    総務省国際戦略局  飯田 陽一
  3. WS #73 DNS over HTTPS (DoH): Human Rights, Markets, and Governance 
    株式会社メルカリ  小林茉利子
  4. WS #271 Multilingualism online: old challenges and new perspectives  
    JPCERT/CC  登山 昌恵
  5. WS #71 Building trust through responsible response to global crises 
    中央大学総合政策学部   実積 寿也
  6. WS #128 Global crises and socially responsible data responses 
    一般財団法人インターネット協会  木下 剛
  7. アクセス・ネットワーク関連
    WS #163 Access Challenges among Rural Communities & Local Solutions
    WS #323 Emerging perspectives on the Internet Exchange Points
    WS #326 The promises and perils of satellite internet
    違法有害情報関連
    WS #92 Setting Children’s Rights in the Internet Governance Agenda
    WS #97 Fact-Checking: A Realm for Multi-stakeholder model?
    WS #195 Protection or Participation? Child Rights in a New Normal
    WS #217 The role of digital tech. in environmental sustainability
    WS #73 DNS over HTTPS (DoH): Human Rights, Markets, and Governance
    その他
    WS #81 Overcoming the US-China digital Cold War
    WS #271 Multilingualism online: old challenges and new perspectives
    JAIPA  立石 聡明
  8. WS #81 Overcoming the US-China digital Cold War  JPCERT/CC  小宮山 功一朗
  9. WS #267 Universal Acceptance of Domain Names and Email Addresses 
    JPNIC 前村 昌紀
  10. WS #107 Educational Opportunities & Challenges in Times of Crisis  JPNIC 山崎 信

OF=オープンフォーラム、WS=ワークショップ

●所感

第1部および第2部とも、非常に興味深いお話が目白押しでした。第1部では、すでに1年近くが経っているにもかかわらず、登壇者の皆さまの尽力により要点が共有され、参加者による理解が進んだのではないかと思います。第2部では、さまざまな視点から多くのプログラムをご紹介いただき、IGF 2020を視聴するに当たって非常に参考になったのではないかと思います。今後、より多くの方々にインターネットガバナンスに関する関心を持っていただけるよう、日本におけるNRI活動の活性化に少しでも寄与できるよう努めたいと思います。