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IGF 2023に向けた国内IGF活動活発化チームのご紹介

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2021年4月9日発行の「IGF 2020報告会レポート」では、報告会ではIGF 2020の報告だけでなく、日本開催が決定したIGF 2023に向けた準備活動が始動したこともお伝えしました。本稿ではその後の経過、国内IGF活動の準備状況についてお知らせします。

まず、IGF 2020報告会レポートでは明示的に触れられていませんが、IGF 2023は国連の会議ですので、その招致は各国政府のみが行うことができます。日本の場合は日本国政府ということで、総務省が担当となります。そのため、IGF 2023の日本での開催に関連する国内実行委員会や、付随するロジスティクスは総務省が主導することとなっており、活発化対象となっている国内IGF活動とは直接関連しないものの、密接な連携が求められることになりそうです。

国内IGF活動活発化チーム(仮称)の主な状況

キックオフ会合

2021年3月30日開催のIGF 2020報告会の第2部「今後のIGFへの関わり方」での議論を受け、国内でマルチステークホルダーによりIGFで取り扱われるような内容について議論し、IGF 2023でのNRIセッションをはじめとするさまざまな議論に向けて準備する、という大まかな方向性が決まったかと思います。それを受け、4月から5月にかけて有志で議論を行い、5月20日に国内IGF活動活発化チームのキックオフ会合が、IGF 2020報告会と同様に、JPNICと一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)との共催で開催されました。

キックオフ会合では、まずIGF 2020報告会第2部「今後のIGFへの関わり方」の議論について振り返りました。次いでこれまでの日本におけるインターネットガバナンス議論活動について振り返りました。具体的には、「日本におけるインターネットガバナンス関連活動の経験と課題」と名づけられた文書に対しコメントが求められました。次いで総務省より、IGF 2023のホスト国としてMAGに参加して検討状況を見ていること、IGF 2021に関する進捗状況などが共有されました。

次に、12月に開催されるIGF 2021の国内事前イベントの内容検討に入り、テーマのプロデュースは各ステークホルダー(民間セクター、市民社会、技術コミュニティ、など)が行うこととし、各テーマの議論はマルチステークホルダーで行うことが確認されました。つまりは、パネリストは複数のステークホルダーから集める必要があるということです。テーマ数はステークホルダーに合わせて6個(政府、民間企業、消費者、学術、技術、ユース)提案されましたが、6個すべて提案されるとは限らないこと、および時間の制約などで2つか3つに収めてはどうかという提案がありました。具体的なテーマについて、いくつか提案がありましたが、テーマおよびセッションについては公募を行うことになりました。また、プログラム委員についても公募することになりました。

日本ではあらゆるものが業界団体ごとの垂直統合で進められているため、それを突破する枠組み、および所属企業を代表して議論を行う仕組みの必要性について指摘されました。さらに、あえて立場が異なる、もしくは対立するパネリストを準備しないと議論が盛り上がらないのでは、という指摘もありました。

以下の4点が宿題となりました。

  • チームのチャーター案の作成
  • IGF 2021国内事前イベント準備スケジュール案の作成
  • 「日本におけるインターネットガバナンス関連活動の経験と課題」の確認
  • 「ワークプランの枠組み(たたき台)」の確認

第2回会合

6月7日に開催された第2回会合では、本チームのチャーター案と、サブチーム分けについて主に議論されました。チャーター案については、国連IGF事務局と既存NRI(地域別・国別IGF活動)が共同で作成した、NRIs Toolkitに記載された以下の原則に沿うべき、というコメントがあり、それに従ったものになる予定です。

  1. 開放性および透明性
  2. 包摂性
  3. ボトムアップ
  4. 非商用
  5. マルチステークホルダー

サブチーム分けについては、プログラム、ステークホルダーエンゲージメント、イベント実施の3つを作成することとなり、会議参加者の中から割り振られましたが、キックオフ会合で決まった通り、追って公募も実施する予定です。

今後

JPNICでは近年国内IGF活動を盛り上げるために、IGF-JapanとIGCJの活動統合への貢献を行い、それ以外の関係者、IGF常連参加者も含めたより大きなサークルで関連イベントを運営してきました。IGF 2023の日本開催決定は、活動活発化に向けたまたとない機会なので、一層力を入れて取り組んでいます。

この度活発化チームとして準備を進めているのは、関心のあるより広い方々の参加の敷居をできるだけ下げて、IGFの原則であるオープンでボトムアップな運営を目指すためで、既に活発化チームで一緒に検討している皆さまの間で想いは共通していると思います。

事前会合(本稿執筆時点では開催日程は未定ですが10月後半を予定)に向けて、サブチームメンバー、テーマ、セッションについて公募が行われることになりますので、ぜひ手を挙げていただくか、ご提案をお待ちしております。資料や会合録画なども公開していく予定ですので、ぜひご覧いただいて、ご関心のある方は活発化チームにおける検討にも、ぜひとも奮ってご参加ください。なお、イベントの案内や内容の議論のため、メーリングリストを用意しておりますので、参加ご希望の方はsec@japanigf.jpまでご連絡ください。

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