APNIC56ミーティングが京都で開催されます
ip_team IPアドレス インターネットの技術 他組織のイベント2023年9月7日(木)~14日(木)の日程で、APNIC56ミーティングが京都府京都市の国立京都国際会館で開催されます。JPNICは今回のAPNIC56ミーティングのローカルホストとして、ミーティングの開催に協力しています。
APNIC 56ミーティングWebページ https://conference.apnic.net/56/アジア太平洋地域でIPアドレス・AS番号の割り当てを管理するAPNIC Asia-Pacific Network Information Centre)では、1995年1月より定期的にAPNICミーティングを開催しています。以下の通り、過去に3回のAPNICミーティングが日本において開催されていますが、およそ8年ぶりの日本開催となります。
- APRICOT2015/APNIC39ミーティング(2015年2-3月、福岡県博多市)
- APRICOT2005/APNIC19ミーティング(2005年2月、京都府京都市)
- APNIC14ミーティング(2002年9月、福岡県北九州市)
APNICミーティングの開催地選定については、JPNICブログの記事「APNICミーティングはどこで開催されるの?」を参考にしていただくとわかりやすいかと思います。
APNICミーティングでは、会期の前半をワークショップ、後半をカンファレンスとしてさまざまなプログラムが提供されています。期間中のプログラムの詳細は、APNIC 56ミーティングのWebページをご覧いただければと思いますが、以下は過去10回のAPNICミーティングでワークショップ期間中に取り上げられたテーマを並べてみたものです。ネット―ワーク運用者にとって理解しておくべきテーマは毎回開催して、その時々で旬なテーマを取り上げられているのかもしれませんね。
開催回 | テーマ |
APNIC56 |
Network Security Introduction to SDN BGP & RPKI tutorial IXP Tutorial Network Automation Tutorial |
APRICOT2023/APNIC55 |
BGP and IPv6 Deployment Network Automation for Network Engineers Campus Network Design & Operations Routing Infrastructure & Operational Security Network Management, Monitoring & Security |
APNIC54 |
Network Management and Monitoring Software Defined Networking (SDN) IPv6 Deployment |
APRICOT2022/APNIC53 |
Git for network engineers DDoS Resiliency Workshop Using CI/CD pipeline in network deployments A fully automated, software defined, cloud internet exchange Introduction to Network Automation SD-WAN: a basic introduction Segment Routing Art of Route Filtering Scalable & Reliable Storage using CEPH IXP Manager – Bringing your IX and First Members Live Introduction to PeeringDB |
APNIC52 |
Network Management and Monitoring Network Programmability with Segment Routing Let’s Encrypt MANRS for Network Operators |
APRICOT2021/APNIC51 |
Securing Internet Routing with RPKI Network Monitoring & Management 2.0 Tutorial Wireless Deployment Tutorial IPv6 Deployment BGP Introduction, Attributes and Scaling Techniques BGP Multihoming: Introduction and Deployment Examples DNSSEC Operations Tutorial DNS is Under Attack: the Miscreant’s Offensive Playbook with a Defensive Counter Realities of Today’s DDoS Security Risk BGP Best Current Practices IP Address for Router and Host Reachability Meaningful Security Conversations with your Vendors: Can vendors ever provide secure solutions? MANRS Tutorial Network automation and programmability of cloud hosted network appliances |
APNIC50 | ワークショップ開催なし |
APRICOT2020/APNIC49 |
Network Infrastructure Security for Operators Virtualisation & Cloud Computing Network Monitoring & Management Advanced BGP and Routing Security |
APNIC48 |
Network Security IPv6 Deployment Introduction to SDN Advanced BGP and ROV |
APRICOT2019/APNIC47 |
Network Security IPv6 Deployment Campus Network Design and Operations Network Management & Monitoring |
カンファレンス期間中には、SIG (Special Interest Group)と呼ばれる特定のテーマについて議論するセッション、APNICのでのIPアドレス・AS番号に関する業務のアップデート、APNICの活動報告や関連コミュニティからの報告を行う総会、ネットワーク運用に関するセッション、アジア太平洋地域内のネットワークオペレーターズグループ(NOG; Network Operators Group)の活動紹介、特定の話題に関心を持つ参加者が非公式に集まって議論するBoF (Birds of a Feather)等のプログラムが設けられています。
特定のテーマについて議論するSIGは現在、以下の3つです。これらに加えて、IPアドレス・AS番号の分配ルール(ポリシー)についての議論を、以前はポリシーSIGという名前で呼ばれていた「オープンポリシーミーティング」が、カンファレンス期間の中核となるセッションです。
SIG名 | 議論や情報共有が行われる内容 |
Cooperation | 公共政策やインターネットガバナンス、他コミュニティとも連携が必要な諸課題に関する話題 |
NIR | 国別インターネットレジストリ(NIR; National Internet Registry)の活動に関する話題 |
Routung Security | インターネットルーティングのセキュリティ関する話題 |
Policy (現在はOpen Policy Meeting) |
IPアドレス・AS番号の分配ルール(ポリシー)に関する話題 |
APNICミーティングのページでは、今回およびこれまでに開催されたAPNICミーティングのプログラムや発表資料が公開されます。また、議論の様子を撮影した写真や動画、発言録も公開されています。今回のミーティングの参加前に、ぜひ一度ご覧ください。ミーティングに参加されない方にとっても、これらの資料や情報を眺めるだけでも有用な情報がたくさんあると思います。
会場では英語でのやり取りがほとんどとなりますが、英語以外を母国語とする国・地域からの参加者も多く、各自が工夫しながらコミュニケーションを取っているようです。JPNICブログでも「APRICOT2023/APNIC55フォトレポート」「APNIC54フォトレポート」などでご紹介しています。APNICミーティングがどんな雰囲気であるか、参考にしていただけるのではないかと思います。
APNICは今年、設立30年を迎えます。APNIC56ミーティングの期間中、APNICの設立や運営に携わった方々をお招きしての記念イベントも企画されています。アジア太平洋地域のこれまでのインターネットを振り返るちょうどよい機会になると思いますので、参加を検討されている方はお早目の参加登録をお願いいたします。JPNIC職員も参加しますので、会場でお目にかかれることを楽しみにしています。